【トニー・アウスラー展】虎ノ門ヒルズTOKYO NODEで開催中の日本初大規模個展を徹底紹介|所要時間・混雑・グッズまとめ

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【トニー・アウスラー展】虎ノ門ヒルズTOKYO NODEで開催中の日本初大規模個展を徹底紹介|所要時間・混雑・グッズまとめ アート
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地上二百数十メートルの高層階に、暗闇と光でできた不思議な生態系が生まれた──そんな噂を聞きつけて、筆者は虎ノ門ヒルズへ向かいました。

いま、虎ノ門ヒルズ ステーションタワーの高層階にある「TOKYO NODE」で開催されているのが、「トニー・アウスラー:技術と霊知のはざま~魔術、メディア、アート~」です。アメリカを代表するマルチメディアアートの巨匠、トニー・アウスラーの日本初となる大規模個展。会期は2026年7月3日から9月27日まで。

プロジェクションマッピングという言葉は、いまや誰もが一度は耳にしたことがあると思います。建物や立体物に映像を投影するあの表現──その源流をたどると、アウスラーという一人の作家に行き着きます。映像、彫刻、音、光、そして言葉を組み合わせ、「見ること」「信じること」の境界を問い続けてきた作家。その半世紀近い歩みを、初期作から本展のための最新作までまとめて体験できるのが今回の展覧会です。

フェイク画像やAIによる生成が当たり前になり、「何を信じるか」がかつてなく揺らいでいるいま。半世紀も前から「見ることと信じること」を問い続けてきたこの作家の視線は、妙に生々しく、現在の私たちに刺さってきます。

この記事では、展覧会の基本情報やアクセス、所要時間・混雑の見通し、注目作品、そしてミュージアムショップのグッズまで、行く前に知っておきたいことを筆者の体験を交えてまとめていきます。


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  1. 展覧会の概要
    1. 基本情報
    2. アクセス
    3. チケット
    4. 音声ガイドについて
  2. トニー・アウスラーとは──「見えないもの」を映し出す作家
  3. 所要時間と混雑状況
    1. 所要時間の目安
    2. 混雑状況の見通し
  4. 展覧会の様子──光と闇が生む没入体験
    1. 《スペキュラー》(2021)──暗闇に浮かぶ無数の「眼」
    2. 《星》(2026)──遠隔透視とスター・ゲイト計画
    3. 《プライベート》(1993)──監視と「自分らしさ」
    4. 《C>o++》顔認識(2017)──機械が見る「その人らしさ」
    5. 《MUR(dusk)》(2022)──ロールシャッハと脳の「見たがり」
    6. 《失われた時間》(1996)──もう一人の自分
    7. 《塵(ちり)》(2006)──塵は塵に返る
    8. 《計り知れないもの》(2015-2016/約86分)──信じることと見ること
    9. 《ロック2、4、6》(2010)──確証バイアスの迷宮
    10. 《mAcHiNe E.L.F.》(2023)──水晶と「魔法と見分けがつかない技術」
    11. 《穴から吊り上げられて》(2025)──「カーディフの巨人」とポスト真実
    12. 《我が土星の恋人(たち)》(2016-2017/約13分40秒)──UFOと冷戦の夢
    13. 《空(くう)》東京版(2000)──デヴィッド・ボウイとの共作【世界初公開】
    14. 《キメラ》(2026)──デジタルの森と「生命とは何か」
  5. ミュージアムショップのグッズ
    1. 公式図録
    2. そのほかのグッズ
  6. 展覧会だけじゃない──虎ノ門ヒルズのコラボメニュー
  7. まとめ・感想
    1. こんな人におすすめ
    2. 感想
  8. 関連リンク

展覧会の概要

基本情報

項目内容
展覧会名トニー・アウスラー:技術と霊知のはざま~魔術、メディア、アート~
会期2026年7月3日(金)〜9月27日(日)
会場TOKYO NODE GALLERY A/B/C
住所東京都港区虎ノ門2-6-2
虎ノ門ヒルズ ステーションタワー 45F
開館時間10:00〜19:00(金・土は20:00まで)
※入場は閉館の30分前まで

会場はギャラリーA・B・Cの3室構成。約50点の作品が並び、そのうち約半数が日本初公開です。

アクセス

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TOKYO NODEは虎ノ門ヒルズ ステーションタワーの高層部にあります。ギャラリーは45階ですが、まず8階のエントランスを経由する動線になっているので、初めての方は少し戸惑うかもしれません。

  • 東京メトロ日比谷線「虎ノ門ヒルズ」駅 A2出口直結
  • 東京メトロ銀座線「虎ノ門」駅 B2出口より地下通路経由 徒歩約6分
  • 東京メトロ丸ノ内線・千代田線・日比谷線「霞ヶ関」駅 A13出口より徒歩約8分

地下改札を出たら右手・A2側出口からステーションタワーへ。ステーションアトリウム奥の「OFFICE / TOKYO NODE」入口からビルに入り、シャトルエレベーターで7Fスカイロビーを経由して8FのTOKYO NODEエントランスへ向かいます。そこから45Fのギャラリーへ上がる流れです。

チケット

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券種料金(税込)
一般2,400円
大学生・専門学校生1,400円
中学生・高校生800円
  • 学生は学生証・身分証明書が必要です
  • 介助者1名まで無料で同伴可
  • チケットはオンラインチケットサイトから購入できます

音声ガイドについて

本展に音声ガイドはありません。映像・音・光そのものが作品の一部となる没入型のインスタレーションなので、音声ガイドを前提としない構成のようです。

その代わりに注目したいのが、無料のギャラリーツアーです。本展を担当した日米のキュレーターやギャラリースタッフが会場をめぐりながら、作品の背景にあるストーリーや展示に込めた意図を解説してくれるプログラムで、事前申込は不要(当日有効の観覧券が必要)。定期開催されているので、日程が合えば作品世界の理解がぐっと深まります。

開催日時は公式サイトのお知らせページで確認できます。


トニー・アウスラーとは──「見えないもの」を映し出す作家

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トニー・アウスラー(Tony Oursler)は、1957年アメリカ・ニューヨーク生まれ、現在も同地を拠点に活動しています。1970年代後半から作家活動を開始し、ニューヨーク近代美術館(MoMA)、ポンピドゥー・センター(パリ)など、世界各地の名だたる美術館で個展を開催、作品も収蔵されてきました。

アウスラーの名を美術史に刻んだのは、立体物に映像を投影する表現の先駆者としての功績です。平らなスクリーンではなく、人形や球体、さまざまな形状の物体に映像を投影する。その手法は、のちに広く知られることになるプロジェクションマッピングの源流のひとつとされています。

けれど彼の作品は、技術の新しさだけで語れるものではありません。扱うテーマは、ポップ・カルチャーやサブカルチャーから、科学、宗教、超常現象、宇宙まで実に幅広い。映像と物語、テクノロジーと人間心理、そして「ビリーフシステム(信念)」──私たちが何を信じ、何を見ようとするのか。その関係を、詩的なまなざしとユーモアを交えて問い続けてきました。

コラム:なぜ「技術と霊知のはざま」なのか

本展のタイトルにある「霊知」は、聞き慣れない言葉かもしれません。

アウスラーが半世紀にわたって見つめてきたのは、最先端のテクノロジーと、心霊写真や手品、擬似科学といった「見えないものを信じたい」という人間の欲望の、ちょうど境界線でした。

彼は科学・魔術・未確認現象などにまつわる資料を約3,000点も収集しているといいます。

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【トニー・アウスラー展】虎ノ門ヒルズTOKYO NODEで開催中の日本初大規模個展を徹底紹介|所要時間・混雑・グッズまとめ

AIや監視技術、生成メディアが日常に入り込み、同時にスピリチュアルや都市伝説への関心も高まる今こそ、この「はざま」を見つめてきた作家の実践に触れる意味がある──そんなキュレーションの意図が、タイトルに込められているように感じます。

アウスラーはまた、コラボレーションの人でもあります。現代美術家のマイク・ケリー、ミュージシャンのキム・ゴードン(ソニック・ユース)、トニー・コンラッドといった、ジャンルを超えた表現者たちと数々の作品を生み出してきました。そして本展の目玉のひとつが、あのデヴィッド・ボウイとの共作なのです(詳しくは後述します)。

ポイント整理:トニー・アウスラーを知る5つのキーワード

  • プロジェクションの先駆者:立体物に映像を投影する表現を切り開いた
  • 見ることと信じること:知覚・認識・信念の関係を一貫して探求
  • 収集家としての顔:心霊写真や擬似科学ガジェットなど約3,000点のアーカイブ
  • 越境するコラボレーション:美術・音楽・演劇の垣根を越えた共作
  • ユーモアと毒:不気味さと愛らしさが同居する独特の作品世界

所要時間と混雑状況

所要時間の目安

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映像作品が中心で、一つひとつに再生時間があるのがこの展覧会の特徴です。絵画展のようにさっと通り抜ける、というわけにはいきません。腰を据えて向き合うほど面白くなるタイプの展示だと思います。

ちなみに写真撮影が可能で、動画撮影も一部作品を除けば3分まで可能となっています。この展示会でなければ撮影できない写真や

  • さっと見る場合:約60分。主要な映像インスタレーションのさわりを体験するイメージ
  • じっくり見る場合:約90〜120分。映像作品をある程度最後まで観て、アーカイブ資料も読む
  • 図録吟味+コラボカフェも楽しむ場合:半日(3時間以上)。館内のコラボメニューまで含めてゆっくり

ひとつ気をつけたいのが、映像作品の「尺」です。たとえば《計り知れないもの》は約86分、《我が土星の恋人(たち)》は約13分40秒と、しっかりした尺の作品もあります。すべてを最後まで通して観ようとすると、それだけでかなりの時間がかかります。気になる作品にあらかじめ見当をつけておくと、限られた時間でも満足度高くまわれると思います。

ちなみに筆者は一通りまわって約1時間半。映像作品をじっくり味わいたい人は、2〜3時間はみておくと安心です。

混雑状況の見通し

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トニー・アウスラーの日本初の大規模個展であること、デヴィッド・ボウイとの共作《空(くう)》の世界初公開が話題を呼んでいることから、会期後半や週末は混雑が予想されます。特に映像作品は一度に鑑賞できる人数に限りがあるため、待ち時間が発生する可能性もあります。

  • 比較的空いていそうな時間帯:平日の午前中、開館直後
  • 混雑しやすい時間帯:土日祝、金・土の夜間開館の時間帯(20時まで開いているぶん人も集まりやすい)
  • 特に注意したい時期:夏休み期間、会期終了間際の9月後半

金曜・土曜は20時まで開館しているので、仕事帰りにゆっくり観たい方には夜の時間帯もおすすめです。暗闇の映像作品は、外が暗くなってからのほうが没入感が増すという声もあります。

訪問時にまず印象的だったのは、子供連れの多さでした。暗闇に浮かぶ眼や、ぼそぼそと語りかけてくる人形など、ホラーというほど怖くはないけれど、ほどよく「不気味」な作品が多く、夏休みの体験としてちょうどいいのかもしれません。《キメラ》をモチーフにしたキッズワークショップも開催されており、家族で楽しめる余地は大きいと感じました。


展覧会の様子──光と闇が生む没入体験

会場は約50点で構成されています。展示番号の順というより、部屋から部屋へ、時代もテーマも違う作品を渡り歩く感覚の構成です。ここでは実際に歩いた順に、主要な作品を短めに紹介します。一つひとつ世界観がまったく違うので、気持ちを切り替えながら進むのがおすすめです。

《スペキュラー》(2021)──暗闇に浮かぶ無数の「眼」

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1996年から続くシリーズの新作。大小の球体に目のクローズアップ映像が投影され、鑑賞者は「見る側」であると同時に「見られる側」に置かれます。4K映像の目の表面には、SNSや陰謀論──月面着陸否定説、イルミナティ、5G──にまつわるイメージがうっすら映り込み、情報に飲み込まれていく現代人の姿が浮かびます。本展の入口を飾る象徴的な一作です。

《星》(2026)──遠隔透視とスター・ゲイト計画

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中心にあるのは五芒星。米政府が「遠隔透視」を研究したスター・ゲイト計画や、その参加者インゴ・スワン、そして20世紀初頭の東京で「千里眼」を写真に記録しようとした福来友吉に触れながら、見ることの限界を超えたいという人類の願いを見つめます。

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シュレーディンガーの猫や、日本の化け猫伝承まで引用される、本展のための新作です。

《プライベート》(1993)──監視と「自分らしさ」

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廊下や戸口を心理的・社会的な舞台に変えるサイト・スペシフィックなインスタレーション。

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顔に映像を投影された人形たちが空間に住みつき、花瓶に隠されたカメラや特大の肖像権同意書が、「私たちのイメージは誰のものか」を問いかけます。

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《C>o++》顔認識(2017)──機械が見る「その人らしさ」

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顔認識技術に着想したシリーズ。顔を座標や数値に置きかえて個人を見分ける仕組みを可視化します。機械にとっての「肖像」とは、一枚の写真ではなく、膨大な個人データと結びついた数式の連なり。ビッグデータ時代のアイデンティティの危うさを描き出します。

《MUR(dusk)》(2022)──ロールシャッハと脳の「見たがり」

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ロールシャッハ・テストと、あいまいな形につい顔や模様を見てしまう脳の性質「パレイドリア」を出発点にした作品。左右反転した映像と光を反射する金属面を組み合わせ、薬を使わない幻覚のような体験を生みます。反射面に自分の姿も映り込み、見る側と見られる側の境が溶けていきます。

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《失われた時間》(1996)──もう一人の自分

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1990年代初頭、倒れこんだ人形を椅子やベッドと組み合わせた作品群のひとつ。アウスラーはパフォーマーのトレイシー・ライポルドを「もう一人の自分(分身)」と呼び、解離性障害やアイデンティティの形成を探りました。傷つきやすさと攻撃性が同居する人物像が、見る人の心を揺さぶります。

《塵(ちり)》(2006)──塵は塵に返る

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19世紀の実験的な「念写写真」や、1901年の書物『想念形体』への関心から生まれた作品。ドローイングやアニメーション、パフォーマンスの断片が溶け合い、何もない風景を漂う雲のように動き続けます。花粉や香り、宇宙の塵──そのひと吹きごとに宿る「生きた歴史」を静かに示します。

《計り知れないもの》(2015-2016/約86分)──信じることと見ること

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長編の「5-D」映画と、膨大なアーカイブ資料を組み合わせた大作。シャーロック・ホームズの生みの親で心霊主義者のコナン・ドイル、霊能者のトリックを暴いた脱出術師フーディーニ、超能力を主張したミナ・クランドンらが登場し、1920年代の「何を信じるか」をめぐる争いを描きます。古典的な映像トリック「ペッパーズ・ゴースト」を現代的に取り入れ、香りや振動、光を重ねます。

【トニー・アウスラー展】虎ノ門ヒルズTOKYO NODEで開催中の日本初大規模個展を徹底紹介|所要時間・混雑・グッズまとめ

物語の芯にあるのは、アウスラー自身の家族史です。祖父フルトン・アウスラー(1893-1952)は元マジシャンの大衆作家で、フーディーニとともに心霊術のインチキを暴く側にいました。「信じたい」人々と、それを「暴く」人々──その両方のまなざしが、作品の奥に流れています。

《ロック2、4、6》(2010)──確証バイアスの迷宮

【トニー・アウスラー展】虎ノ門ヒルズTOKYO NODEで開催中の日本初大規模個展を徹底紹介|所要時間・混雑・グッズまとめ

タイトルは、人が思い込みに合うよう事実をゆがめてしまう「確証バイアス」を研究した心理学者ピーター・ウェイソンに由来します。「精神」「身体」「未知のもの」を演じる三人(男・女・屍食鬼)が意識の主導権を奪い合い、迷路のように突き出したスクリーンのあいだを歩くうちに、「自分の意思」と「運命」のせめぎ合いが立ち現れます。

【トニー・アウスラー展】虎ノ門ヒルズTOKYO NODEで開催中の日本初大規模個展を徹底紹介|所要時間・混雑・グッズまとめ

《mAcHiNe E.L.F.》(2023)──水晶と「魔法と見分けがつかない技術」

【トニー・アウスラー展】虎ノ門ヒルズTOKYO NODEで開催中の日本初大規模個展を徹底紹介|所要時間・混雑・グッズまとめ

彫刻でありながら映像を映す反射面にもなる、水晶のような形。水晶は携帯電話や人工衛星の中で時間や周波数を刻む「心臓の鼓動」であると同時に、ニューエイジの信仰では癒しや魔除けの象徴でもありました。

【トニー・アウスラー展】虎ノ門ヒルズTOKYO NODEで開催中の日本初大規模個展を徹底紹介|所要時間・混雑・グッズまとめ

「十分に進歩した科学技術は、魔法と見分けがつかない」というアーサー・C・クラークの言葉が響く一作。

見る位置で映像が変わる屈折パネルが印象的です。

《穴から吊り上げられて》(2025)──「カーディフの巨人」とポスト真実

【トニー・アウスラー展】虎ノ門ヒルズTOKYO NODEで開催中の日本初大規模個展を徹底紹介|所要時間・混雑・グッズまとめ

北米で最も有名な捏造事件のひとつ「カーディフの巨人」を下敷きに、フェイクニュースや陰謀論、SNSの世界を探ります。

【トニー・アウスラー展】虎ノ門ヒルズTOKYO NODEで開催中の日本初大規模個展を徹底紹介|所要時間・混雑・グッズまとめ

無神論者ジョージ・ハルが聖書の巨人をめぐる口論の末に巨人像を彫らせて埋め、1年後に「発見」させた──その実話を、信じる心とそれを操る力の象徴として、現代のデマに重ねます。

【トニー・アウスラー展】虎ノ門ヒルズTOKYO NODEで開催中の日本初大規模個展を徹底紹介|所要時間・混雑・グッズまとめ

再現映像やAI生成映像も組み合わされた、現代的な一作です。

【トニー・アウスラー展】虎ノ門ヒルズTOKYO NODEで開催中の日本初大規模個展を徹底紹介|所要時間・混雑・グッズまとめ

《我が土星の恋人(たち)》(2016-2017/約13分40秒)──UFOと冷戦の夢

【トニー・アウスラー展】虎ノ門ヒルズTOKYO NODEで開催中の日本初大規模個展を徹底紹介|所要時間・混雑・グッズまとめ

輝く惑星が浮かぶデジタルの夜空に包みこまれる、没入型の映像インスタレーション。

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最初のUFO写真家ジョージ・アダムスキーら、UFO「体験者」たちの証言をもとに、冷戦期のサブカルチャーとSFが生んだ想像上の宇宙が広がります。

【トニー・アウスラー展】虎ノ門ヒルズTOKYO NODEで開催中の日本初大規模個展を徹底紹介|所要時間・混雑・グッズまとめ

科学と宗教の境目があいまいになっていく感覚を味わえます。

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《空(くう)》東京版(2000)──デヴィッド・ボウイとの共作【世界初公開】

【トニー・アウスラー展】虎ノ門ヒルズTOKYO NODEで開催中の日本初大規模個展を徹底紹介|所要時間・混雑・グッズまとめ

アウスラーがボウイと出会ったのは1996年。1999年にボウイと作曲家グレン・ブランカを引き合わせて生まれたのが本作です。

【トニー・アウスラー展】虎ノ門ヒルズTOKYO NODEで開催中の日本初大規模個展を徹底紹介|所要時間・混雑・グッズまとめ

映像は1999〜2000年に撮影されましたが、ひとつの完成したインスタレーションとして展示されるのは本展が世界初。

【トニー・アウスラー展】虎ノ門ヒルズTOKYO NODEで開催中の日本初大規模個展を徹底紹介|所要時間・混雑・グッズまとめ

ボウイの巨大な頭部が四つ並んで来場者を取り囲み、アウスラーの書いたテキストをボウイが朗読、ブランカが立体的な音響のための楽曲を録音しました。

【トニー・アウスラー展】虎ノ門ヒルズTOKYO NODEで開催中の日本初大規模個展を徹底紹介|所要時間・混雑・グッズまとめ

イメージをつくること、変わること、そしてデジタルの世界で自分を保つことへの、静かな問いかけ。

ボウイファンならずとも、この一点のために足を運ぶ価値があります。

【トニー・アウスラー展】虎ノ門ヒルズTOKYO NODEで開催中の日本初大規模個展を徹底紹介|所要時間・混雑・グッズまとめ
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《キメラ》(2026)──デジタルの森と「生命とは何か」

【トニー・アウスラー展】虎ノ門ヒルズTOKYO NODEで開催中の日本初大規模個展を徹底紹介|所要時間・混雑・グッズまとめ

理想郷のようなデジタルの森として広がる、本展のための新作。

昔ながらの記憶術や未確認動物学、生態系をめぐる想像力のあいだに、共通するものを見出します。

【トニー・アウスラー展】虎ノ門ヒルズTOKYO NODEで開催中の日本初大規模個展を徹底紹介|所要時間・混雑・グッズまとめ

CRISPRや遺伝子編集が現実になった今、「人間とは何か、自然とは何か」を問い、幻想的な生き物たちが人々の夢や恐れ、ひそかな願いの結晶として立ち現れます。会場の締めくくりにふさわしい没入体験です。

【トニー・アウスラー展】虎ノ門ヒルズTOKYO NODEで開催中の日本初大規模個展を徹底紹介|所要時間・混雑・グッズまとめ
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ミュージアムショップのグッズ

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公式図録

【トニー・アウスラー展】虎ノ門ヒルズTOKYO NODEで開催中の日本初大規模個展を徹底紹介|所要時間・混雑・グッズまとめ

まず押さえておきたいのが公式図録です。約半数が新作を含む日本初公開作品という本展の出品作を、全点カラーで掲載。会場での撮りおろし写真やアーカイブ資料に加え、アウスラー本人による渾身のエッセイ、本展キュレーターらによる論考、そしてメディアアートに造詣の深い畠中実(キュレーター・批評家)による論考まで収録された充実の一冊です。

これまで日本語によるまとまった資料が出版されてこなかった巨匠だけに、アートファンにとっては待望の資料といえます。

項目内容
価格3,960円(税込)
仕様B5変形(W178×H251mm)、204ページ
言語日英バイリンガル
販売特設ショップで8月中旬から販売開始予定/オンライン事前予約購入可(発売後順次発送)

訪問した7月上旬の時点では、特設ショップに図録の見本と予約案内のパネルが出ていましたが、店頭での販売開始は8月中旬から。すぐに手にしたい場合は、オンラインでの事前予約が確実です。

そのほかのグッズ

【トニー・アウスラー展】虎ノ門ヒルズTOKYO NODEで開催中の日本初大規模個展を徹底紹介|所要時間・混雑・グッズまとめ

目玉やキービジュアルをあしらったグッズが、想像以上に充実していました。アパレルは刺繍ロゴのキャップ(白・黒/各5,500円)、《スペキュラー》を大胆に配したメッシュトート(4,950円)、ロングスリーブTシャツ(6,600円)、そしてTシャツ各種。小物では、目玉モチーフの缶バッジやステッカー、マグネット、クリアファイル(605円)、ポストカードなどが並びます。ちょっと変わり種として、アウスラー作品をイメージしたクラフトソープ(3,520円)も。

【トニー・アウスラー展】虎ノ門ヒルズTOKYO NODEで開催中の日本初大規模個展を徹底紹介|所要時間・混雑・グッズまとめ

コレクター心をくすぐるのが、アウスラー本人がアートワークを手がけた音源作品のCD《Hoisted from the Pit》(6,600円/17曲・約39分)や、アートブック《Specular》(11,000円)。ファンならチェックしておきたい一角です。

【トニー・アウスラー展】虎ノ門ヒルズTOKYO NODEで開催中の日本初大規模個展を徹底紹介|所要時間・混雑・グッズまとめ

予算別おすすめピックアップ

【トニー・アウスラー展】虎ノ門ヒルズTOKYO NODEで開催中の日本初大規模個展を徹底紹介|所要時間・混雑・グッズまとめ
予算おすすめ
〜700円クリアファイル(605円)、ポストカード
〜1,500円缶バッジ、ステッカー、マグネット類
〜4,000円クラフトソープ(3,520円)、図録(3,960円)
〜5,000円メッシュトート(4,950円)
5,000円〜キャップ(5,500円)、ロングスリーブT(6,600円)、CD《Hoisted from the Pit》(6,600円)、アートブック《Specular》(11,000円)

また、ショップの近くには本展仕様の撮影ブース「Photomatic」も設置されていました。目玉モチーフのフレームで撮れる、遊び心のある記念スポットです。

【トニー・アウスラー展】虎ノ門ヒルズTOKYO NODEで開催中の日本初大規模個展を徹底紹介|所要時間・混雑・グッズまとめ

あと、ミュージアムショップ入口にある監視カメラは時折動いていて、≪プライベート≫の作品群にあったモニターに映っていたものなのかと思ったり。

【トニー・アウスラー展】虎ノ門ヒルズTOKYO NODEで開催中の日本初大規模個展を徹底紹介|所要時間・混雑・グッズまとめ

展覧会だけじゃない──虎ノ門ヒルズのコラボメニュー

本展の世界観を楽しめるコラボカフェが、虎ノ門ヒルズ館内の5店舗で展開されています(期間:7月3日〜9月27日)。《スペキュラー》の目玉がモチーフになったドリンクや、本展のテーマのひとつ「魔術」を体感できる色が変わる魔法のカクテルなど、ユニークなメニューが揃っています。

対象店舗は、ステーションタワーB2Fの T-MARKET内「PUBLIC BAR」「dam pub」「角打ちKAN」、8Fの「TOKYO NODE CAFE」、45Fの「TOKYO NODE DINING」。展覧会の余韻に浸りながら一杯、というのも贅沢な過ごし方です。

今回は時間の都合でカフェには入れませんでしたが、メニュー表を眺めるだけでも楽しいラインナップでした。いくつか挙げると——

  • TOKYO NODE DINING(45F):Witch’s Brew(1,200円)、Shadow Shine(1,200円)、テック・グノーシス(カクテル/1,500円)
  • TOKYO NODE CAFE(8F):奇妙なキメラクリームソーダ(1,500円)、目玉フローズンゼリードリンク(980円)、《カリカチュア》ラテ(980円)、目玉アイス(1,200円)、目玉チーズタルト(980円)
  • T-MARKET(B2F):DEEP VISION(1,300円)、泡の視線/Foam Eye(759円)、プロジェクテッド・ブルーム(モクテル/1,500円)、スペクトル・ゲイズ(1,500円)

ドリンクを注文すると、オリジナルコースター(全2種)がランダムでもらえるそうです。目玉やキメラをモチーフにした、写真映えしそうなメニューばかり。実際の味は、次に訪れたときの楽しみにしておきます。


まとめ・感想

こんな人におすすめ

  • プロジェクションマッピングや映像表現の「源流」に興味がある人
  • デヴィッド・ボウイのファン──《空(くう)》の世界初公開は今回だけ
  • 暗闇のなかの没入体験が好きな人、光と音に包まれたい人
  • オカルト・都市伝説・超常現象といったテーマにゾクゾクする人
  • 虎ノ門ヒルズで、アートも食事も一日かけて楽しみたい人
  • 夏休みのお出かけ先を探している家族──怖すぎない「不思議さ」で、子どもも引き込まれる

感想

想像していた「難解な現代アート」という身構えは、会場に入ってすぐにほどけました。小さな手のひらサイズの作品から、部屋をまるごと使った大型インスタレーションまで、とにかくずっと見ていられます。

いちばん引き込まれたのは、人形やオブジェの顔の部分に映像が投影され、ぶつぶつと動き、語りかけてくる作品たち。不思議と、子どものころに行った昔のディズニーランドのアトラクションを思い出しました。テクノロジーの手ざわりは古びているのに、こちらに語りかけてくる生々しさは少しも古びていない──そのギャップが妙に心に残ります。

そして、超常現象にまつわる膨大なアーカイブ資料。ネッシーやビッグフットの資料まで並んでいて、作品を離れて眺めているだけでも純粋に楽しい。「信じたい」という気持ちが、人間にとってどれだけ根深いものかを、静かに教えてくれます。

「見ること」と「信じること」は、私たちが思っているほど確かなものではないのかもしれない──会場を出て、虎ノ門の街を見下ろしたとき、そんな余韻が残りました。

ということで「トニー・アウスラー展」の超個人的なオススメ度は…。

★★★★☆

あくまで私個人の感想ですが、参考にしていただければ幸いです。

トニー・アウスラーの半世紀を、これだけまとめて体験できる機会は、日本ではおそらく今後しばらく訪れません。会期は9月27日(日)まで。夏の夜、少し不思議な世界に迷い込んでみてはいかがでしょうか。

これからも少しずつアートやファッション関係の記事を書いています。

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