ワタリウム美術館とその周辺をはじめとする東京・青山の各所にて屋内外にアート作品が展示される「水の波紋展2021 消えゆく風景から ─ 新たなランドスケープ」が開催されています。
展示作品は計27点。今回は個人的に1番楽しみにしていたJR(ジェイアール)のINSIDE OUT PROJECT(インサイドアウトプロジェクト)の展示場所ともなっている渋谷区役所 第二美竹分庁舎にある作品の紹介記事になります。
ワタリウム美術館周辺の作品に関しては別記事にまとめておりますので、そちらもぜひご覧になってください。
水の波紋展2021とは
1995年にワタリウム美術館が主催し、ヤン・フートによるキュレーションのもと開催した「水の波紋95」展が、「水の波紋展2021」として帰ってきました。
「水の波紋95」展では、アート作品を青山の街に点在させ、普段は歩かない都市の裏側の魅力をみてもらうことを意識しキュレーションを実施しました。
今回の「水の波紋展2021」では、変わろうとしている新旧の街並みの狭間にあえて作品を配置するよう試みています。
表通りからは見ることができない現在の街の風景と、若いアーティストたちの街への想いを作品として楽しむことができます。
渋谷区役所 第二美竹分庁舎の場所と鑑賞時間
- 会場:渋谷区役所 第二美竹分庁舎
- 会期:2021年8月2日(月)〜9月5日(日)
- 鑑賞時間:11:00〜19:00
- 住所:〒150-0002 東京都渋谷区渋谷1丁目18−21
JR(ジェイアール)<INSIDE OUT PROJECT(インサイドアウト・プロジェクト)>
屋外の建物や通りに巨大な写真を貼るというグラフィティ表現を用い、世界各地で弾圧や貧困、差別のもとで暮す人々を撮影し、それを現地の人たちと壁に貼る活動が「インサイドアウト・プロジェクト」です。
今回はフォトブース付きのトラックが登場。事前予約制でこのポートレートを撮影し、プロジェクトに参加することができます。
予約は11:00〜18:00の間で30分ずつの枠に分かれており,好きな時間を選択してその時間内に会場に向かいます。
チケットは毎週月曜12:00に次週の分が販売開始されます。
場所は渋谷区役所 第二美竹分庁舎の入口にカメラのデザインをトラックが停まっているのですぐわかると思います。
受付で名前を伝えると、フォトブースの中に。
中はスピード証明写真のような、イスとカメラと液晶があるシンプルなつくりになっています。
液晶にどのように映るのか見ながらイスの高さや座る位置を調整して、ボタンを押したら撮影開始。1回勝負です。
撮影が終わると、液晶に名前とメールアドレスを入力。後日データで撮影したポートレートが送られてくるみたいです。
ブースから出るとすぐにトラックの後ろからポートレートがプリントされてきます。
スタッフの方々が親切で、ポートレートを持ってブースと一緒に写真も撮ってくれました。
撮影されたポートレートは後日、水の波紋2021展会場内にペイスティングされるとのことです。
渡辺志桜里<サンルーム>
残りの作品は渋谷区役所 第二美竹分庁舎の3階にあります。
初めに目に入った作品が<サンルーム>です。複数の部屋に渡り、植物や魚などが入った水槽が設置され、それぞれがホースでつながっています。奥の方の見逃してしまいそうな場所にまで水槽が設置されています。この廃墟っぽい雰囲気の会場にすごくあってる感じがします。
植物、魚、バクテリア、線形動物などを別々の水槽に分離させ,それらをホースで連結して水を循環させることで,自動の生態系をつくり出している作品だそうです。
笹岡由梨子<Planarian>
床が毛足の長いピンク(赤?)の絨毯を敷かれた部屋に映像インスタレーションが展示されています。
独特のリズムで流れる音楽、歌が気持ち悪いようで心地よくてついつい魅入ってしまいます。
食べた魚の頭でつくった人形を、中央で操る奇妙な人物は作者本人なのかな?
独自の死生観で生きるということについて私たちに問いかけているようです。
竹川宣彰<猫オリンピック:開会式>
森美術館で行われた「六本木クロッシング2019展」でも見かけた、竹川宣彰さんの作品。
競技場の真ん中には金銀銅のキャットフード型トロフィーが輝き、聖火台には火を灯す猫も。陶製の猫たちは一匹ずつ、種類も表情もしぐさも異なり、それを見てるだけでも楽しめます。
UGO<Persistence of We>
広く薄暗い部屋に佇むインスタレーション。中に入っている鮮やかな色の液体は石鹸のようです。
石鹸の泡が光を通して神秘的に見えます。
作品を見た感想
個人的にはずっと体験したかった「インサイドアウト・プロジェクト」に参加できて大満足です。
渋谷区役所 第二美竹分庁舎はアクセスもよく、ちょっと廃墟っぽい雰囲気の建物内で個性的な作品が無料でみられる良い機会だと思います。
また、同会場では「パビリオン・トウキョウ2021」の人気作品、草間彌生の<オブリタレーションルーム>(※事前予約制)もあるので、まだの方は一緒にみるのもおすすめします。
ちなみに所要時間は30分もあれば大丈夫ですので、残りの「水の波紋展2021」の作品や同時期開催中の「パビリオン・トウキョウ2021」の作品をまとめて見にいくのもいいかもしれません。
また水の波紋展2021のワタリウム美術館周辺の作品に関しては別記事にまとめていますので、そちらもぜひご覧になってください。
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