ワタリウム美術館とその周辺をはじめとする東京・青山の各所にて屋内外にアート作品が展示される「水の波紋展2021 消えゆく風景から ─ 新たなランドスケープ」が開催されています。
展示作品は計27点。今回はワタリウム美術館を中心とした、青山の各所に展示された屋外作品をご紹介。私が見て回ったルートと所要時間をまとめました。
マップを頼りに普段は通らない道の先にある作品を見つけるのは、宝探しのような楽しさもあり、知らなかった青山の別の側面を知れる良い機会でもありました。
前回紹介した渋谷区役所 第二美竹分庁舎にある作品は別の記事でまとめてありますので興味があればそちらもどうぞ!
- 水の波紋展2021とは
- 作品の展示場所と所要時間
- 弓指寛治 <山陽堂書店130年の歩み展feat.弓指寛治>
- 檜皮一彦 <hiwadrome type:re[in-carnation]>
- ビル・ウッドロウ <ハーフ・カット>
- 梅沢和木 <くじら公園アラウンドスケープ画像>
- 柿本ケンサク <タイムトンネル>
- 弓指寛治 <あの日のタイル>
- フランツ・ウエスト+川俣正 <たんこぶ/プレファブリケーション・東京/神戸>
- 山内祥太 <我々は太陽の光を浴びるとどうしても近くにあるように感じてしまう。>
- デイヴィッド・ハモンズ <ロックファン>
- 名もなき実昌 <観れても触れれない(おっきな落書き(>_<))
- フィリップ・ラメット <有罪の空間>
- ホアン・ヨンピン <竹箒(たけぼうき)>
- SIDE CORE <地球 神宮前 空き地>
- ファブリス・イベール <たねを育てる>
- トモトシ <ミッシング・ミッシング・サン>
- 最後に
水の波紋展2021とは
1995年にワタリウム美術館が主催し、ヤン・フートによるキュレーションのもと開催した「水の波紋95」展が、「水の波紋展2021」として帰ってきました。
「水の波紋95」展では、アート作品を青山の街に点在させ、普段は歩かない都市の裏側の魅力をみてもらうことを意識しキュレーションを実施しました。
今回の「水の波紋展2021」では、変わろうとしている新旧の街並みの狭間にあえて作品を配置するよう試みています。
表通りからは見ることができない現在の街の風景と、若いアーティストたちの街への想いを作品として楽しむことができます。
作品の展示場所と所要時間
私は渋谷区役所 第二美竹分庁舎には別の日に行ったので、表参道駅で降りて山陽堂書店から外苑前方面に向かい、ワタリウム美術館、新国立競技場前という流れで見ていきました。
途中に休憩を入れて所要時間は4時間くらい。逆から周ったら第二美竹分庁舎も合わせて1日で見ることができそうですね。
それでは私が見た順番に作品のご紹介をしていきます。
弓指寛治 <山陽堂書店130年の歩み展feat.弓指寛治>
地下鉄表参道駅を降りてすぐ、表参道の交差点角にある書店「山陽道書店」の2Fに弓指さんの作品が展示されています。
山陽堂書店の前は何度も何度も通っていたのですが、今回初めて中に入りました。
山の手空襲と山陽堂書店にまつわる作品群で、天井を埋め尽くすのはB29の群れを表しています。
山陽堂書店は日曜がお休みなので訪れる際には要注意です。
檜皮一彦 <hiwadrome type:re[in-carnation]>
山陽道書店から青山通りを青山方面に向かった「旧港区立児童会館奥(三角公園)」に展示されています。
上下にくくりつけられたマネキンの頭の上に花と車椅子。真ん中には車椅子を積み重ねた球体のインスタレーション。
また、この作品は夜になるとライトアップされます。
ビル・ウッドロウ <ハーフ・カット>
同じ場所にはビル・ウッドロウの作品も展示されています。
たしかこの作品は「水の波紋95」展でも設置されていた気が。
ちなみにこの周辺のフェンスに<INSIDE OUT PROJECT(インサイドアウト・プロジェクト)>のポートレートが貼られています。
一週間前に撮影した私のポートレートはまだ貼られていませんでした・・・。
梅沢和木 <くじら公園アラウンドスケープ画像>
旧港区立児童会館奥(三角公園)の直ぐ近くにある「テマエ」の2Fに梅沢和木さんの作品が展示されています。
さらにその奥の青山通りの裏手を進む先にある「北青山三丁目児童遊園」にも梅沢さんの作品があります。
柿本ケンサク <タイムトンネル>
ここは青山?と思うほどの豊かな自然が魅力の「ののあおやま」では3作品が展示されています。
その中でも柿本ケンサクさんの<タイムトンネル>は、緑とマッチしていて素敵な空間を作り上げています。
こちらの作品も夜になるとライトアップされ、また違った良さがあります。
弓指寛治 <あの日のタイル>
ののあおやまにも弓指さんの作品が展示されています。
ののあおやまのもりのなかに複数作品があり、地図を頼りに探していきます。
マップにも記載されていますが、蚊がいっぱいいるので要注意です。
フランツ・ウエスト+川俣正 <たんこぶ/プレファブリケーション・東京/神戸>
上に乗っているピンク色のたんこぶの作品は「水の波紋95」でも展示されていたものだそうです。プレハブが川俣正さんの作品で、背面にも設置されています。
この日は気温30度を超える真夏日。ののあおやまは緑がたくさんあり、比較的涼しいのでここで小休憩。広場のはカフェトラック「森のとうばん」があったのでジンジャーエールを頼みましたが、美味しかったです。
山内祥太 <我々は太陽の光を浴びるとどうしても近くにあるように感じてしまう。>
青山通り沿いの「第一青山ビルの屋上看板」には山内祥太さんの作品が展示されています。
真下からは見づらいので向かい側から(エイベックスビルあたり)鑑賞するのがおすすめです。
デイヴィッド・ハモンズ <ロックファン>
青山通りをそのまま進み、東京メトロの外苑前駅付近の「梅窓院」にはデイヴィット・ハモンズの作品が展示されています。
梅窓院にもはじめて訪れたのですが、作品だけじゃなくてこの場所自体も雰囲気があってよかったです。
名もなき実昌 <観れても触れれない(おっきな落書き(>_<))
青山通りから外苑西通りに入り、ワタリウム美術館に向かう途中に見えてくる「クローチェ神宮前ビル屋上看板」の作品。
遠くからでもなかなかの存在感・・・!!逆側にも作品が描かれています。
フィリップ・ラメット <有罪の空間>
ワタリウム美術館の外には2作品が展示されています。
フィリップ・ラメットのこの作品は中に入り、壁に向かって立ち、自分自身とあるいは作品と対話をする、瞑想や懺悔、座禅のような行為のスポットなのだとか。
ホアン・ヨンピン <竹箒(たけぼうき)>
ワタリウム美術館にぶら下がった大きなホウキがホワン・ヨンピンの作品です。来訪者の禍を祓ってくれるそうです。
SIDE CORE <地球 神宮前 空き地>
Timesの看板の作品が目印となる「神宮前3−35−5の空き地」が展示エリア。空き地の中には、多様な世代・国籍・バックボーンを持つ7組のアーティストの作品が展示されています。
Timesの看板のインパクトはなかなかですが、複数アーティストによる作品が並列に存在することで、ひとつの巨大なインスタレーションを構成しています。
このTimesの看板も夜はライトアップされます。
ファブリス・イベール <たねを育てる>
外苑西通りを国立競技場方面に進み、「ビクタースタジオ横の空地」に着くと2つの作品を見ることができます。
ファブリス・イベールの作品は実際に江戸野菜が畑に育てられています。これは19世紀のパリで野菜や果物を街中で育てられ、自由に取って食べていたというのを、現代都市でもそうした可能性があるのか実験的なプロジェクトだそうです。
トモトシ <ミッシング・ミッシング・サン>
同じ空地内にマスクをつなぎ合わせたの旗が揚げられています。作者のトモトシさんは国や自分自身の現状に絶望を感じ、今年の3月に都内の街中で同じように白旗を揚げていましたが、引き下ろされてしまいます。せめて負けを認めることを許して欲しいとこの場所で白旗を揚げる作品を展示しているようです。
最後に
作品数が多いので、だいぶ作品説明は駆け足になってしまいました。無料でこれだけの作品を見ることができ、まだ知らない青山の街の一面を知ることもできてとても満足できる内容でした。写真を見て興味を持っていただけたら実際に青山の街に出て作品を見てきて欲しいです。
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