九州の東に位置する大分県。その中でも国東半島は2014年に開催された「国東半島芸術祭」で設置された作品の一部はいまでも残されており、国東半島の名所となっています。
私自身まだ大分県には行ったことがなく、国東半島のほかにも「大分県立美術館 OPAM」や温泉地としても有名な別府、湯布院など興味のあるスポットが多かったので10月の週末を使って1泊2日の旅行に行ってきました。
2日間の車の走行距離は約350キロ。
本記事には実際に大分で作品を見て回ったルートや所要時間、混雑状況に感想などを、まとめたものになります。
長いので前半は1日目の「国東半島」についてまとめています。
▼前半の記事はこちらから▼
後半(この記事)は2日目に訪れた「別府温泉」「大分市の美術館」「湯布院」についてまとめています。
2日目に訪れたエリアは温泉地として有名ですが、面白い美術館などもあります。
もし大分旅行を検討してる方がいましたら、特に温泉メインで考えている方にもこんな場所があるんだと、少しでも参考になれば嬉しいです。
別府地獄めぐり(海地獄、鬼石坊主地獄、かまど地獄)
予定詰め込みまくりのアート旅は2日目の朝も早いです。
別府といったら「地獄めぐり」。大分県別府市の別府温泉に多数存在する様々な奇観を呈する自然湧出の源泉「地獄」を、周遊する定番の観光コースです。
別府地獄組合に加入しているのは「海地獄」「鬼石坊主地獄」「かまど地獄」「鬼山地獄」「白池地獄」「血の池地獄」「龍巻地獄」の7つ。
朝8時から入れるということで、1日目の最初は一番大きい「海地獄」から見に行きます。
「海地獄」
- 営業時間:8:00〜17:00
- 休業日:年中無休
- 住所:〒874-0045 大分県別府市大字鉄輪559-1
海地獄には大きな駐車場があります。
まとめて地獄めぐりをするなら7カ所の地獄が見学できる共通観覧券がお得です。
入場料を払い、長屋門をくぐるときれいな庭園が広がっています。
奥には青い色をした海地獄があります。
ここで実際に温泉たまごを作っているのだとか。
さらに奥には赤い鳥居が並ぶ「白龍稲荷大神」があります。
そのほかには赤い色をした「赤池地獄」
温泉を利用して大鬼蓮を育成している「温室」
地獄の源泉100%掛け流しの「足湯」
地獄にまつわる様々な謎や、温泉のトリビアなどが展示されている「GALLARY AO」など、海地獄だけでもかなり充実した内容。
朝ごはん代わりに売店で温泉たまごと温泉プリンを購入。
また海地獄出口付近で売っている極楽饅頭をおやつに購入して、次の地獄に向かいます。
「鬼石坊主地獄」
鬼石坊主地獄は海地獄から歩いてすぐの場所にあります。
- 営業時間:8:00〜17:00
- 休業日:年中無休
- 住所:〒874-0000 大分県別府市鉄輪559−1
入場料は海地獄と同じです。
鬼石坊主地獄は、粘土質の泥中に湯玉が次々と湧き上がる「熱泥地獄」と噴気を昇いよく吹き上げる「間欠泉」の二種類の地獄があります。
ここでも温泉を利用した足湯を楽しむことができます。
時間があれば隣接する日帰り温泉施設「鬼石の湯」に行くのもよかったかなと思います。
「かまど地獄」
こちらも徒歩10分くらいで行ける距離にあります。
- 営業時間:8:00〜17:00
- 休業日:年中無休
- 住所:〒874-0840 大分県別府市鉄輪621
かまど地獄は1丁目から7丁目までいろいろな種類の地獄を見ることができます。
ぼーっと見学していると、地獄の案内人(のおっちゃん)にいろいろ紹介してもらえて楽しめます。
こちらにも足湯があるので、ちょっと浸かってこの旅のべっぷ地獄めぐりは終了。
残りの地獄めぐりはまた次の機会に。
大分県立美術館OPAM
海地獄から40〜50分かけて次の目的地「大分県立美術館OPAM」に向かいます。
2015年に開館した大分県立美術館OPAMのコンセプトは「五感のミュージアム」「出会いのミュージアム」です。
さまざまな視点、感覚を通じて、完成や創造性に訴え、訪れる人が五感で楽しめる。そして大分と世界、古典と現代、美術と音楽など、さまざまな出会いをテーマにした企画展をとおして、新たな発見や刺激を受けとることができる美術館を目指しています。
かなり広い駐車場もあります(最初の30分は無料)。
外のベンチもなんかおしゃれです。
時間がないので施設内をぐるっと見て回ります。
一階は吹き抜けになっていてかなり広く感じます。
ミュージアムショップも仕切りがなく、解放感があります。
コレクション展の観覧料は一般300円とかなり良心的な価格。※企画展は別料金
作品もちょっと展示してあって、館内を散策するだけでも結構楽しめます。
2階に上がると、カフェが最初に見えてきます。カフェの営業は11時から。残念ながら今回は外から写真を撮るだけで我慢します。
カフェの隣には情報コーナー、アトリエ、体験学習室などが並んでいます。
吹き抜けになっているので、2階から1階部分を覗くとこんな感じ。
続いて3階に登ると屋外展示スペースの作品「天庭」が目に飛び込んできます。
このインスタレーションは磯崎真理子さん、徳丸鏡子さん、高橋禎彦さんの日本の現代工芸を代表する3名によるもの。
ポッカリと空いた穴から見える青空が気持ち良かったです。
OPAMは建築家の坂茂(ばん・しげる)さんが設計。街に開かれた縁側としての美術館を目指し、1階は外からも中の様子がわかるようにガラス張りとし、無料で利用できる2層吹抜のアトリウムを設けています。
その中にミュージアムショップとカフェを設け、展覧会に興味がない人でも日常的に利用できるスペースにするなど、日常的に人々が集まる仕掛けを建築に与えています。
アトリウム内を可動展示壁によって間仕切ることで展示室Aは作られているそうです。
つまり、展示室Aは壁を作ることも取り払うこともでき、アトリウムと一体的な展覧会など、展示の内容に合わせたレイアウトが可能となっているようです。
次訪れるときは今回見た美術館のレイアウトと全く違ったものになっているのであれば、また訪れてみたいなと思いました。
一通り無料で入れる場所を見終えたので、名残惜しいですが次の場所に向かいます。
滞在時間は30分。
大分市アートプラザ
大分県立美術館から歩いて10分ほどの場所にある「大分市アートプラザ」。さまざまな展示やイベントを開催する芸術文化の複合施設です。
特徴のある外観をしていて、とりあえず見てみたいと思ったので立ち寄ることにしました。
駐車場はアートプラザ横の荷揚中央駐車場または大分市役所第二庁舎横 荷揚西駐車場を利用をすれば、2階総合受付で手続きをすれば無料になります。
建築には詳しくないのですが、やっぱりこの外観のインパクトがすごいですよね。
設計は磯崎新さん。当初は大分県立図書館として設計し、日本建築学会賞を受賞した磯崎新さんの代表的な建築のひとつです。
増築可能な成長する建築として、外に向かって伸びるボックス型の梁などがデザインされたそうです。
2階から建物内に入ると、大きなホールに結構な量の作品が展示されています。
「60‘sホール」というホールで、1960年代に大分県出身の吉村益信さんや風倉匠さんが活動した前衛芸術家グループ「ネオ・ダダ」の作家の作品など展示されています。
3階は「磯崎新建築展示室」として、磯崎さんが手がけてきた建築物の木造模型を展示しています。
これが無料で見れるのは、結構すごいかも。
インパクトのある外観に注目していましたが、建物内も赤や緑の色をした廊下や階段などかなりかっこいいです。
先の予定があるため、駆け足で展示を見終えて滞在時間は30分くらい。
大分市立美術館
アートプラザから車で30分くらい。「大分市立美術館は」閑静で緑豊かな「上野丘子どもの森公園」の中にあります。
無料の駐車場もかなり広いです。
公園はちょっと高台になっており、かなり気持ちいい。
館内に入る前に公園をちょっとぶらぶらしてみます。
この象のオブジェが有名ですよね。鼻の上の小さな星は風が強いとくるくる回るそうです。
こちらは上野遺跡群・隅丸方形周溝遺構。弥生時代中期のまつりごとを行った祭祀遺構を復元し展示しています。
さらに進むと丘を登る犬のオブジェが。かなりのたくさん設置されております。
犬のオブジェの先には展望台があります。展望台からは大分の市街地を一望できます。
ちなみに展望台の下はチャイルドハウスという施設で、自然と芸術に触れて体験しながら学習できる講座などが定期的に開催されているそうです。
公園はかなり広いのでまだまだ楽しめそうですが、そろそろ美術館の中に。
広大な敷地に立つ美術館は4つの常設展示室と企画展示等があります。
ここでも時間がないので展示室には入らずに無料で見れるところを散策していきます。
1階の図書コーナー。窓の外には緑が広がっています。
企画展示室とレストランの間の中庭から屋上のようなところにも出ると、電球のような作品が。風倉匠さんの作品「陰陽学」です。
レストランの奥にも進めそうだったので行ってみたら井上一朗さんの「L-MOTION」という作品が展示されていました。
時間があればレストランでランチをしたかったところですが、次に向かうコミコアートミュージアムの予約時間が結構ギリギリだったので我慢してその場を去りました。
滞在時間は30分くらい。
コミコアートミュージアムは湯布院にあり、「やまなみハイウェイ」を使って向かいます。
雄大なくじゅう連山の絶景を見ながら湯布院までのドライブするのも気持ち良かったです。
事前にGoogleマップで調べたら大分市立美術館から車で1時間くらいの場所ですが、別府が渋滞していたこともあり1時間半くらいで湯布院に到着。
COMICO ART MUSEUM(コミコアートミュージアム)
「COMICO ART MUSEUM(コミコアートミュージアム)」は土産店が立ち並ぶ湯の坪街道そばに建つ小さな美術館。
建築は隈研吾さんが手掛け、館内から由布院の景観や豊かな自然を感じることができます。
そして日本を代表するアーティスト 村上隆さん・杉本博司さん・奈良美智さんの作品を解説付きで鑑賞できます。
施設内に駐車場はありません。近くの駐車場に停める必要があるのですが、周辺の駐車場が全然空いていなくて30分以上駐車場が開くのを待つことに。
かなり時間には余裕を持って行ったほうがよいと思います。
コミコアートミュージアムは事前予約制となっています。
前日までに公式サイトより空いている時間を確認して、観覧料を支払い予約します。
予約が完了すると入館に必要となるQRコードと予約番号が届きます。入館時はそのQRコードを受付に提示し、QRコードリーダーにタッチして予約内容が確認されたら、館内の鑑賞について説明を受け、入場券とマップを受け取ります。
エントランスにはロッカーもあるので不要な荷物を預けて身軽に見学できます。
本来はガイドさん付きで1時間見て回る美術館のようなのですが、今はコロナの影響で来場者たちそれぞれで予約時間から1時間自由に鑑賞できるようになっています。
マップには作品リストも記載。音声ガイドもマップに記載のQRコードからスマートフォンで聴くことができます。
駐車場難民になったおかげで予約時間から30分も遅れて到着。残された時間は30分。しっかり見ていきます。
まずはギャラリー1。村上隆さんの作品が展示されています。
予約時間よりかなり遅れて入館したせいか貸切状態。
奥の部屋はギャラリー2。ガラスで仕切られているので広く感じます。
外廊を通ってギャラリー2に向かいます。
外廊を歩くと、隈研吾さんの建築の美しさを実感できます。
ギャラリー2には杉本博司さんの作品が展示されています。
海景シリーズ。やっぱりいいですね。欲しい、、、。
エントランスに戻り、2階へ上がります。
こちらはラウンジ。由布岳を望みながら厳選された書籍を楽しめるライブラリーとなっています。
お茶も無料でいただけます。
そして外に見えるのがオープンギャラリー。
展示されているのは奈良美智さんの「Your Dog」です。
さすがに人気でここでは何組か撮影していました。
オープンギャラリーが空くのをラウンジで休憩しながら待っているとSNSハッシュタグキャンペーンというものを発見。
コミコアートミュージアムで撮影した写真に#comicoartmuseum #湯布院 をつけてSNSに投稿し、その画面を受付スタッフに提示するとポストカードがもらえます。
ポストカードをもらって、ミュージアムを後にします。
駐車場難民で焦りましたが滞在時間きっちり30分で十分満喫できました。
大分空港から成田空港へ
コミコアートミュージアムを出たらレンタカーを返却し、大分空港で飛行機に乗って帰ります。
帰りの便は17:20大分空港発 ⇒ 18:55成田空港着の「ピーチMM364」に乗ります。
コミコアートミュージアムから大分空港近くのレンタカーまでの大体車で1時間半くらい。少し混んでたので時間が思ったよりギリギリでした。
レンタカーのガソリンもかなり減っていて、走行距離をみたら約350キロも走っていたので納得です。
まともにご飯も食べてなかったので、空港で急いで腹ごしらえ。
写真を撮ってないけど、大分空港内のレストラン「なゝ瀬」で大分名物のとり天を食べました。
帰りの飛行機も疲れていたせいか爆睡でした。
1泊2日の大分アート巡りの旅を終えて
前半、後半に分けて私の大分アート巡りの旅をご紹介しましたがいかがでしたか?
1日目の国東半島は山道やら森の中を歩くことが多かったのですが、2日目は美術館中心なので服装や足元で注意することはあまりなく、快適に見学できます。
しかし2日間通してここまで詰め込むとかなり疲れます。もっと余裕をもって美術館の展覧会を見たり、アート以外の観光地を巡ったり、ゆっくりと温泉に入るのもいいと思います。
ちなみに今回の旅を計画する時には下記のサイトを参考にしました。
大分、特に国東半島のアートスポットは情報が少ないので所要時間や駐車場などは、上記サイトやこの記事を参考にしていただければ嬉しいです。
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