冬休みを利用して訪れた湯河原温泉にある旅館「夢十夜(ゆめじゅうや)」があまりに良かったので、今回ご紹介したいと思います。
一泊のみの利用でしたが、湯河原にあった老舗旅館をリノベーションした綺麗でアート作品のような部屋に施設。美味しいだけでなく、楽しませてくれる料理、そしてお手軽に利用できる宿泊料金。どれも満足できるものでした。
本記事では湯河原温泉「夢十夜」について、コンセプト、アクセス、お部屋や食堂や大浴場などの共有スペース、夕食や朝食、旅館内にあるショップ、そしてお得な予約方法などをまとめたものになります。
2022年の10月にオープンしたばかりなのでまだ口コミなども少ないと思いますので、湯河原方面で旅館やホテルを探している方の参考になれば嬉しいです。
夢十夜へのアクセス
夢十夜は都心から2時間かからないくらいで行ける、海と山に囲まれた湯河原温泉にあります。
箱根や熱海と違ってそこまで観光客で混んでいないので温泉に浸かって、部屋でゆっくりとしたいという方にはおすすめの温泉地。
所在地:〒259-0314 神奈川県足柄下郡湯河原町宮上53
車だと東京駅から2時間程度。
電車の場合は東京駅から新幹線+東海道本線で湯河原まで行ってから路線バス、またはタクシーで15分程度で着きます。
新幹線に乗らなくても、東京駅から湯河原まではJR東海道本線で2時間かからないで行けます。
湯河原温泉の発祥の地と呼ばれる300mほどの小さな通り「湯元通り」にあります。
入り組んだ路地には、明治や大正に建築された旅館が並んでいて、とても風情を感じます。
また近くには大自然に囲まれてマイナスイオンを感じる「万葉公園」や「不動滝」、湯河原随一のパワースポットといわれる「五所神社」といった名所もあり、チェックイン前後に近くを散策するのもおすすめ。
私は午前中は近くにある「江ノ浦測候所」というアートスポットに行ってから、14時過ぎにチェックインさせてもらい、その日はずっと旅館でのんびりしていました。
夢十夜のコンセプト
コロナ禍で廃業してしまった老舗旅館をリブランドして2022年10月に「夢十夜」はオープンしました。
湯河原町は夏目漱石、芥川龍之介、与謝野晶子、谷崎潤一郎などの日本を代表する多くの文人たちが訪れ、執筆や療養の時間を過ごした場所。
旅館名の「夢十夜」は夏目漱石の10の不思議な夢を綴った短編集「夢十夜」に由来しています。
夢をコンセプトに、建築からお料理まで用意されています。
逸品が並ぶ不思議な商店。無限に広がるように見える鏡のレストラン。懐かしい空間と夢に浸る温泉。そして本が溢れる館内。
時間を忘れて、夢のような空間で過ごす。今まで体験したことが無い、湯河原の魅力を感じられる新しい温泉旅館です。
部屋の種類
お部屋の種類は全6種類。
スイートルーム
小説「夢十夜」の第一夜に登場する“百合”を部屋名にしており、風呂のかたちをしたソファがあったり、バスタブ付きの浴室がついています。
部屋数 | 1室 |
広 さ | 53m² |
定 員 | 4名 |
コンセプトルーム
「金魚」「やかん」「印象」「鳥」「行列」「モナリザ」といった漱石の短編集からヒントを得た6室のコンセプトルーム。
部屋数 | 6室 |
広 さ | 30m²~34m² |
定 員 | 金魚/やかん(3名) 印象/鳥(3名) 行列/モナリサ(2名) |
昭和建築らしい間取りを生かした表情違いのコンセプトルームは漱石の短篇集に散りばめられた言葉をテーマに読書を楽しめる部屋に仕上げられています。ハンモックや大きなソファクッション、コーヒーミルなどは共通でついていそう。
コーナールームA
シャワールーム付きの角部屋は14畳で少し広め。
部屋数 | 2室 |
広 さ | 34m² |
定 員 | 2名 |
大浴場があるから、シャワールームは使うのか、、、?!
コーナールームB
スイートルームの次に広い3階にある角部屋。見晴らしが良いのもポイント。
部屋数 | 1室 |
広 さ | 38m² |
定 員 | 3名様 |
コーナールームAと違ってシャワールームがないけどその分広いのかな?
スタンダードルームA
ブックカフェのような客室。
部屋数 | 4室 |
広 さ | 32m² |
定 員 | 2名様 |
スタンダードルームB
こじんまりとしたヒューマンスケールの客室。
部屋数 | 5室 |
広 さ | 22m²~28m² |
定 員 | 2名様 |
私が予約をした時は結構直前だったので、コンセプトルームの鳥とスタンダードルームA、Bしか空いていませんでした。
コンセプトルームと悩んだのですが、値段と部屋の広さでスタンダードルームAを選択しました。
チェックイン・チェックアウト時間
プランによるかもしれませんが、チェックイン時間は14:30〜で、チェックアウト時間は〜10:30までとなります。
私は少し早い14:00ごろ着いてしまい、ダメ元で聞いてみたらチェックインできちゃいました。
1階の玄関口はセレクトショップ「夢商店」になっており、店を通って2階のレストラン「燭(しょく)」でチェックイン手続きをしました。
中央にはベストセラー鹿家?がお出迎え。
身体がいろんな本のカバーで覆われていますね。
レストランフロアの照明もよく見たら本でできてます。
そして奥の壁が鏡になっていて、とても広く感じます。
夜、照明が着いたらとても綺麗そう、、、。今から期待大です。
チェックイン手続きをする時にウェルカムドリンクサービスが付いていました。
オリジナルブレンドの紅茶数種類から選べます。多分選べる種類は日によって違いそう。
無難にダージリンにしちゃいました(笑)
紅茶を飲みながら、チェックイン手続きを終えて部屋に案内してもらいます。
2人で宿泊したのですが、部屋の鍵は2本もらえました。これで大浴場に行っても時間を合わせなくてよいの地味にありがたい。
部屋へ向かう廊下も床がカラフルだったり、窓にイラストが入っていたりと細かいところまでこだわっている感じが伝わります。
客室の様子(スタンダードルームA)
客室の案内や表札も本のデザインになっています。
私が宿泊したのはスタンダードルームA。
部屋に入ると玄関口には旅館名の由来となった「夢十夜」の漫画版が置かれていました。
部屋には館内履きの草履が備え付けられています。
トイレもコンパクトですが、とても綺麗でした。
ふすまを開けると畳の部屋にシングルベッドが2つ。
ベッドの上にはたくさんの本が並んでいます。ベッドの上には移動して置いたり、ひっかけたりして使える手元照明があります。
ベッドの足元には雲の形をした小さなテーブルに大きなクッション型のソファ。
あとアンティークの家具がいろいろ置かれています。
ベッドの横には冷蔵庫。冷蔵庫の中にはサービスのミネラルウォーターが入っています。
台の上にはタブレット、ポットにカップ、コーヒーミルとコーヒー豆、そしてポップコーンが置かれています。
タブレットでは内線、館内案内が確認できるのと、青空文庫(著作権がフリーの作品を公開しているインターネット上の電子図書館)、Netflixなどが楽しめます。
障子で区切られた窓側のスペースにはハンモック、洗面台があります。
ドライヤーもSALONIAのものが付いていたり、アメニティも充実しています。
ちなみに窓を開けると川の音が聞こえ、左側を見ると川が流れています。窓からの景色はあまり良くないかも・・・。
部屋に備え付けられている収納を開けると、館内着、靴下、貴重品を入れる金庫が備え付けられています。
ハンガーにも本がぶら下がっているのにびっくり。
館内着は浴衣じゃなくて上下分かれた作務衣みたいなものなのではだけにくくて楽らく。
部屋はリノベーションしたばかりなのでキレイですが、天井とかは以前のままの状態を活かし、イラストで装飾していたり、漫画のページが貼られていたり遊び心のある装飾がされています。
そして部屋にはテレビはありません。どうしても動画が見たいという人はタブレットでNetflixを楽しんでくださいということだと思いますが、その代わりに部屋には約100冊もの本が置かれています。
床の畳が気持ちよく、さっそくコーヒーミルで豆を挽いて、コーヒーを淹れてゆっくりと時間を過ごしました。
ソファにもたれたり、ハンモックに揺られたり、ベッドに寝転がったりといろいろポジションを変えながら本を楽しめました。
部屋に置かれている本のタイトルは、割と新しめでメジャーなものが多い印象。普段からいっぱい本を読んでいるという人には物足りないかも?
私は読んでいる本に偏りがあるので、あまり普段自分では選ばないような作品に触れる良いきっかけになりました。
読みたい本があるか不安だったら、あらかじめ読む本を持って行った方がいいかもしれません。
ちなみに館内には約300冊の本が置かれているライブラリーもあり、そちらでゆっくり本を読んでもいいですし、気になった本は部屋に持ち込むことも可能です。
次はライブラリーについてご紹介していきます。
ライブラリー「白昼夢」
夢十夜の1階にあるライブラリーの名前は「白昼夢」と名付けられています。白昼夢とは目を覚ましたまま幻想にふけることを言います。
ライブラリーといったら机や椅子があるのが一般的なイメージですが、白昼夢にはベッドか置かれていて、横になって本を楽しめる場所になっています。
ライブラリーには文学、漫画、雑誌、写真集など約300冊の本が置かれています。
無造作に並べれれているものもあれば、ハンガーで壁にかけられているものもあったりと、本の柱が出来ていたりと、名前の通り幻想的な空間。24時間いつでも滞在中は利用できます。
ちなみに私が行った時は誰もライブラリーを利用してる雰囲気はなかったです。
こちらも約300冊あるとはいえ、バリエーションが意外と少なく感じたり、ベッド以外にも座ったりできるスペースがあったり、ドリンクバーなどあったらもっとよかったのかなと。
大浴場
大浴場も1階にあります。湯河原が舞台となった夏目漱石の小説「明暗」からもじり、「明湯」「暗湯」と名付けられています。
シャワーはレトロで可愛いデザイン。
壁面には夢の映像を投影し、入浴中も夢の中にいるようなひとときが過ごせます。
のぼせそうになったらヒノキでできた大きなベンチで休憩しながら映像を楽しむこともできます。
「明湯」はパステルカラーのタイルに鮮やかなステンドグラスをあしらった空間。
壁面には月の映像が流されていました。
一方、「暗湯」がモノトーンの落ち着きのある空間。こちらは森や小川の映像が流されています。
入浴できる時間は午後は14:00〜0:00まで、午前は6:00〜10:20まで、男女入れ替え制となっています。
私はチェックインして夕食前、夕食後、朝食前の3回利用しましたが、他の宿泊客との遭遇は0。貸切状態でゆっくりと湯船に浸かることができました。運が良かったのかな?
ちなみにバスタオル、フェイスタオルは大浴場に用意されているので、部屋から持っていく必要がないのも嬉しいポイントです。
そして部屋についているタオルも共通なのですがとってもふかふか。このタオルの使い心地はかなり良かったです。
セレクトショップ「夢商店」
夢を持ち帰るがコンセプトのセレクトショップ「夢商店」。営業時間は10:30〜17:00。
地元作家による手仕事の逸品から、湯河原特産の果物で作られたジャムやジュース、部屋にもついていた自家焙煎の珈琲豆やポップコーン、ウェルカムドリンクで提供されたお茶などさまざまな商品が並んでいます。
売られている商品も魅力的なのですが、本や椅子が天井から吊るされていたり、たくさん積まれていたりととても面白い空間になっています。
ちなみに旅館のフロントも兼ねているので、チェックアウトはこちらで手続きします。
レストラン「燭(しょく)」
私は夕食・朝食付きのプランで宿泊したので、それぞれレストラン「燭」でいただきました。
鏡の空間が無限に広がり、天井から降り注ぐ本のランプが、まるで夢の世界にきたような空間を作り上げます。
夕食
夜はランプの光がさらに空間を幻想的に演出します。
私が宿泊した時の夕食のコースニューはこちら。
クリームとメープルシロップを付けて食べるポップオーバーとシラスのオリーブオイル漬けや塩と合うフォカッチャがとても美味しい&おかわり自由で地味に嬉しい。
始燭は前菜。
瞬味。スポイトが刺さっていたり、泡がのっかていたりとこのあたりから遊び心が。
テーブルの蝋燭を灯し、メインディッシュ。何やら火をつけて熱している・・・。
中には足柄牛のイチボが入っており、取り出して本日の仕入れ魚と一緒に盛り付けられます。
最後の甘誘は本が中にはいったプレートで提供。
右下の器は膜が張られていて、割ると芳醇な香りが広がり、中にはジュレが入っています。
夢のような空間だけでなく、料理の提供も楽しませてくれる工夫がいっぱい。そしてどの料理もとても美味しかったです。
こういうエンタメっぽい食事提供は味は二の次なんてこともありますが、見た目も味も楽しめるコースとなっていました。
朝食
朝食はチェックイン時に和・洋・ヴィーガン(動物性食品を使わない料理)の3種類から選べます。
和はロースト雑炊、洋はフレンチトースト、ヴィーガンはロースト野菜らしく、ロースト雑炊が気になったので和を選択しました。
鉄板の上に焼かれたごはんと鮭が乗っていて、そのまま食べても良し、出汁をかけて雑炊のようにして食べても良しでした。
そのほかのおかずも充実しており、結構お腹いっぱいになりました。
そのほかのパブリックエリア
大浴場前は中庭になっています。ベンチなども用意されているので天気が良かったら風呂上がりに休憩するのにもよいかもしれません。
「夢」の文字を模ったネオンサインがあります。
中庭正面の廊下から中庭がガラス越しで望めるようになっています。
「こんな夢をみた」と立看板があるように、まさに目の前の中庭の風景は夢のワンシーンのようです。
ほかにも廊下には本でできた灯籠のようなものや
熊の彫刻など、フォトジェニックなスポットがあり、幻想的な演出が点在しています。
夢十夜を予約するなら
私が「夢十夜」を予約したのはYahooトラベルです。
Yahooトラベルを利用した理由は、付与されるPayPayポイントをすぐに宿泊料金から差し引かれるいまスグ利用を使うと一番安かったからです。
ただタイミングによっては楽天トラベル、じゃらんなどを利用したほうがお得に泊まれる可能性もあるので検討するタイミングでは複数サイトを比較することをおすすめします。
Yahooトラベルで検索 楽天トラベルで検索 じゃらんで検索最後に
今回は湯河原温泉にある旅館「夢十夜」をご紹介しましたがいかがでしたか?
部屋はもちろん、大浴場からレストランまで夢のような空間が広がり、提供される食事までこだわった演出が施されており、非日常を味わえる宿となっています。
テレビが部屋にないのでデジタルデトックスしたい方、好きな本を読んでゆっくり過ごしたい方、映える空間で素敵な写真が撮りたいカップルなどにはおすすめだと思います。
まだオープンして間もないので、そこまで知られていない穴場だと思います。SNSで徐々に人気が出てくるのは必須!混んで予約が取りにくくなる前にぜひ気になる方は行ってみてください。
これからも少しずつアートやファッション関係の記事を書いています。
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