東京・天王洲にあるWHAT MUSEUMで、桶田コレクションによる「Mariage −骨董から現代アート−」展が開催中です。
長年ファッションビジネスに携わってきた桶田夫妻が、約20年かけて収集してきた骨董や現代美術のコレクションを紹介しています。
日本を代表する陶芸家の逸品から、名和晃平、ダニエル・アーシャム、 KAWSにVERDYまでと人気アーティストの作品が一挙に見られるということで早速行ってきました。
本記事は「Mariage −骨董から現代アート−」展の概要、展示作品の紹介、混雑状況や所要時間をまとめたものになります。
開催概要
展覧会名 | OKETA COLLECTION「Mariage −骨董から現代アート−」展 |
会期 | 2022年4月28日~7月3日 |
開館時間 | 11:00〜18:00 |
休館日 | 月曜日 |
会場 | WHAT MUSEUM 2階 |
住所 | 東京都品川区東品川2-6-10 G号 |
入場料
チケットの購入はオンラインによる日時指定・事前購入制となります。
日付を選び、入場時間を1時間毎に区切られた11:00〜17:00の中から選びます。
- 一般:1,200円
- 大学生・専門学生:700円
- 高校生以下:無料
このチケットではWHAT MUSEUM 1階で開催中の「建築模型展」も見ることができます。
模型倉庫見学がセットになったチケットもありますので詳しくはオフィシャルサイトを参照してください。
OKETA COLLECTIONについて
桶田俊二・聖子夫妻が2000年代より始めたコレクションです。
長年、ファッションビジネスに携わってきた夫妻が、骨董の収集からスタートし、2010年、草間彌生の作品との出会いをきっかけに、コンテンポラリーアートの本格的なコレクションへと大きく踏み出しました。
「一目惚れ(love at first sight)」のように強くインスパイアされた作品をピックアップする桶田夫妻のセンスが、時代を反映したユニークなコレクションを形成しています。
今ではその審美眼でも知られ、青山のスパイラルガーデンでもコレクションを紹介する展覧会が継続的に行われています。
国内外の巨匠の逸品から、ファッション、ストリート・カルチャーとアートまで、勢いのあるラインナップが特徴です。
展覧会の内容
タイトルの「Mariage(マリアージュ)」とはフランス語で「結婚」や「婚姻」を意味します。別々の存在が、互いに高め合い引き立て合い、調和した状態を指します。
国や年代、素材も異なる多種多様な作品をひとつの空間でマリアージュすることで、作品の新たな魅力を発見できるような機会を提供したいという想いが込められているようです。
桶田夫妻がアート収集をスタートさせた骨董と現代美術を中心に、初出展となる作品や作家の新作を含む約40点を「身体」「モノクローム」「カラー」の3テーマに分けて4つのホールで作品を展示しています。
ちなみにWHTA MUSEUMの公式アプリをダウンロードすると、桶田夫妻による音声ガイドも楽しめます。
GW最初の土曜お昼に行ったのですが、そこまで混んでいませんでした。とはいえ会場は広くないのでチケットが全部完売してる状態だとえげつない混雑具合が予想されます。
所要時間は音声ガイドを聞きながらゆっくり回って1時間くらいです。全ての作品の写真撮影が可能です。※フラッシュ撮影、動画撮影、三脚、自撮り棒の使用は禁止です。
それでは実際にどんな作品が展示されているかここから紹介していきます。
ネタバレしたくない人はすっ飛ばしてください。
HALL:身体
ここでは立体作品を中心に展示しています。
立体作品なので、背面に回り込んで作品を見てみたり、隙間から覗き見できるようになっていたりと、展示方法にも工夫を凝らしています。
このエリアの中央にはグラフィックアーティストVERDYの<VICK>が置かれており、その正面にはマンゴ・トムソンの鏡面作品<November 14, 2016(The End is Near)>が展示されています。
VICKの横に入って鏡の作品に一緒に映り込んでいる姿を撮るのが人気になりそうです。
そのほかには最近ポケモンとのコラボレーションで話題となったダニエル・アーシャムの<Pyrite Eroded Rabbit>や
直接作者のMr.に依頼をした<かりん ― 甘酸っぱい思い出>
上海のアートフェアで購入したというチャバララ・セルフのネオン作品<Wash N’ Set 2>
脱力感がなんともクセになるクララ・クリスタローヴァの<Rabbit resting>
その他にもさまざまな立体作品が展示されています。
会場内をぐるぐると回り、いろいろな角度で作品を見るのも楽しいです。
SPACE 3:カラフル
このスペースには色とりどりの作品が展示されています。
作品自体がLAっぽく、見ているだけで元気が出てくるようなものが多いです。
作品を見たときに女性でしかできないような繊細な構図、形、ペインティングの力があるジェニファー・ロックリンの<Viva Las Vegas><California Desert>
サーファーでもあるフランス人アーティストのジャン・ジュリアンが子どもが寝ている姿を描いたような作品<Les Jouets 0>
NANZUKA UNDERGROUNDでの個展が記憶に新しいハビア・カジェハの<No Words Today>
などのカラフルな作品が多数展示されています。
また、骨董は9点展示されており、北大路魯山人の作品も展示されています。
SPACE 4:モノクロ
このスペースではカラフルとは逆にモノクロの作品のみを展示。
個人的に注目の作品は昨年11月に死去したヴァージル・アブローの作品<advertise here>です。桶田夫妻とも親交があったそうで追悼の意も込めてどうしても展示したかったそうです。
日本のアーティストTIDEの<COMPO:L>は、平面の絵の中から猫が飛び出して立体として外へ出てきたという作品。
立体の迫力、モチーフに一目惚れしたというフューチュラの<FL-001>。シルバーでこの空間にマッチしています。
その他には、昨年六本木での個展がとても楽しかった思い出のKAWSの作品や、ラシード・ジョンソン、アダム・ペンドルトンの作品が展示されています。
SPACE 5
マシュー・デイ・ジャクソンとネイト・ロウマンの大型の平面作品が展示されている小さなスペース。
モノクロのスペースにある、フューチュラの<FL-001>を背面から見ることもできます。
奥の部屋には名和晃平の代表作である鹿の剥製の表面を透明の球体(セル)で覆った彫刻作品<PixCell-Deer#48>が展示されています。
周りは真っ暗で鹿にだけ照明が当たっている特別な空閑。かなり見応えがあります。
展覧会の感想
長年ファッションビジネスに携わっている桶田夫妻のコレクションでもあるので、スタイリッシュな作品が多く感じました。
さまざまなアーティストの作品が一度に見えるのは良いのですが、展示スペースがそこまで広くなく、展示方法もシンプルなのでちょっと物足りないと感じる人もいるかもしれません。
しかし、鑑賞者が鏡に映り込むことで完成するマンゴ・トムソンの作品や、立体作品など、若者に受けそうなものが多いなと思いました。
同じチケットでWHAT MUSEUM 1階で開催中の「建築模型展」も見ることができるのも◎。
ということで、「Mariage −骨董から現代アート−」展の超個人的なオススメ度は…。
★★★☆☆
あくまで私個人の感想ですが、参考にしていただければ幸いです。
天王洲周辺には無料のギャラリーやパブリックアート作品が多数あるので、この展覧会ついでに天王洲でアート巡りをするのも楽しいですよ。
そして、同じ会場で8月からはOKETA COLLECTION「YES YOU CAN ーアートからみる生きる力ー」展が開催されるようです。
この展覧会のオンラインチケット購入者にはリピーター割引として200円引きのクーポンが後日メールで届くそうなので、そちらも時期がきたらチェックしにいこうと思います。
これからも少しずつアートやファッション関係の記事を書いています。
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