白金台の静寂と現代の感性。生まれ変わった「荏原 畠山美術館」で出会う、杉本博司と茶の湯の世界

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アート
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東京・港区白金台。

プラチナ通りから一歩奥へ足を踏み入れると、都心とは思えない深い森のような静寂が広がっています。

かつて「畠山記念館」の名で多くの数寄者(すきしゃ)に愛されたあの場所が、「荏原 畠山美術館」として新たな時を刻み始めているのをご存知でしょうか?

2024年のリニューアルを経て、杉本博司氏が設計に携わった「新館」が誕生。

伝統的な茶の湯の精神と、研ぎ澄まされた現代建築が響き合う、唯一無二のアートスポットへと進化しました。

今回は、現在開催中の新館開館1周年記念展の様子とともに、生まれ変わった美術館の魅力をご紹介します。

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数寄者が愛した「美の隠れ家」がアップデート

白金台の静寂と現代の感性。生まれ変わった「荏原 畠山美術館」で出会う、杉本博司と茶の湯の世界

荏原 畠山美術館のルーツは、株式会社荏原製作所の創業者であり、近代を代表する茶人・畠山即翁(そくおう)のコレクションにあります。

「茶の湯」を中心とした美術館として知られていますが、今回のリニューアル最大の見どころは、何と言っても「新館」と「本館」の対比です。

本館

白金台の静寂と現代の感性。生まれ変わった「荏原 畠山美術館」で出会う、杉本博司と茶の湯の世界

即翁が晩年に構想した、昭和の数寄の精神が色濃く残る空間。窓から差し込む自然光や、茶室のような展示ケースなど、道具を「使う」感覚で見られる工夫が凝らされています。

白金台の静寂と現代の感性。生まれ変わった「荏原 畠山美術館」で出会う、杉本博司と茶の湯の世界
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新館

白金台の静寂と現代の感性。生まれ変わった「荏原 畠山美術館」で出会う、杉本博司と茶の湯の世界

現代美術作家・杉本博司氏(新素材研究所)が基本設計を担当。「現代の茶室」をイメージし、あえてコンクリートの壁で囲いつつ、畳や木材といった伝統素材を融合させた独創的な空間です。

白金台の静寂と現代の感性。生まれ変わった「荏原 畠山美術館」で出会う、杉本博司と茶の湯の世界

古いものをただ守るだけでなく、現代の美意識で再解釈する。その姿勢が建築そのものから伝わってきます。

【12/14まで】現在開催中の注目展示

白金台の静寂と現代の感性。生まれ変わった「荏原 畠山美術館」で出会う、杉本博司と茶の湯の世界

新館開館一周年記念「数寄者」の現代 ―即翁と杉本博司、その伝統と創造

現在開催されているのは、新館の開館1周年を記念した特別な展覧会です。

会期が2025年12月14日(日)までと迫っていますので、気になる方はお早めに!

この展示の「ここ」がすごい

白金台の静寂と現代の感性。生まれ変わった「荏原 畠山美術館」で出会う、杉本博司と茶の湯の世界

コンセプトは、「昭和の数寄者」畠山即翁 × 「現代の数寄者」杉本博司のセッション。

白金台の静寂と現代の感性。生まれ変わった「荏原 畠山美術館」で出会う、杉本博司と茶の湯の世界

本展は二部構成となっており、本館では即翁の伝統的なコレクション、新館では杉本博司氏の新作や蒐集品が展示されています。

白金台の静寂と現代の感性。生まれ変わった「荏原 畠山美術館」で出会う、杉本博司と茶の湯の世界
白金台の静寂と現代の感性。生まれ変わった「荏原 畠山美術館」で出会う、杉本博司と茶の湯の世界

杉本氏は今回の展示について「現代に『数寄』は可能か?」と問いかけ、美術館という箱(コンクリートの囲い)そのものを現代の茶室に見立てました。

白金台の静寂と現代の感性。生まれ変わった「荏原 畠山美術館」で出会う、杉本博司と茶の湯の世界

千利休の時代から続く「侘び寂び」の心が、杉本氏のフィルターを通すことでどのように「換骨奪胎(かんこつだったい)」され、新しい光を放つのか。

白金台の静寂と現代の感性。生まれ変わった「荏原 畠山美術館」で出会う、杉本博司と茶の湯の世界
白金台の静寂と現代の感性。生まれ変わった「荏原 畠山美術館」で出会う、杉本博司と茶の湯の世界

時代を超えた美の競演は、アートファンならずとも必見です。

白金台の静寂と現代の感性。生まれ変わった「荏原 畠山美術館」で出会う、杉本博司と茶の湯の世界

鑑賞をより楽しむためのポイント

チケットは「オンライン事前購入」がおすすめ

会期終了間近の週末は混雑が予想されます。公式サイトからオンラインチケットを購入しておくとスムーズに入館できます。

学芸員によるミニトーク(※開催日注意)

本館展示室では、特定の日程で学芸員による解説(約20分)が行われています。

次回開催予定: 12月12日(金)14:00〜

作品の背景を知ると、鑑賞の解像度がぐっと上がります。タイミングが合う方はぜひ参加してみてください。

庭園の空気感を味わう

白金台の静寂と現代の感性。生まれ変わった「荏原 畠山美術館」で出会う、杉本博司と茶の湯の世界
白金台の静寂と現代の感性。生まれ変わった「荏原 畠山美術館」で出会う、杉本博司と茶の湯の世界

鑑賞後は、白金台の自然豊かな環境をゆっくりと感じてください。

白金台の静寂と現代の感性。生まれ変わった「荏原 畠山美術館」で出会う、杉本博司と茶の湯の世界
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白金台の静寂と現代の感性。生まれ変わった「荏原 畠山美術館」で出会う、杉本博司と茶の湯の世界

雨の日はしっとりと、晴れの日は木漏れ日が美しく、訪れる季節や天気によって表情を変えるのもこの美術館の魅力です。

白金台の静寂と現代の感性。生まれ変わった「荏原 畠山美術館」で出会う、杉本博司と茶の湯の世界
白金台の静寂と現代の感性。生まれ変わった「荏原 畠山美術館」で出会う、杉本博司と茶の湯の世界

鑑賞の合間に立ち寄りたい「和」の空間

リニューアルによって、滞在そのものを楽しめる施設が充実しました。

特にカフェとショップは必見です。

茶話処「猿町カフェ」

白金台の静寂と現代の感性。生まれ変わった「荏原 畠山美術館」で出会う、杉本博司と茶の湯の世界

新館1階にあるのが、この土地の旧名「白金猿町(しろかねさるまち)」にちなんで名付けられたミュージアムカフェ。

ここでは、お抹茶と季節の主菓子をいただけるのですが、ただ飲むだけではありません。

なんと、「数種類ある作家物の茶碗から、自分が好きなものを選んで」お茶を点ててもらえるのです。

白金台の静寂と現代の感性。生まれ変わった「荏原 畠山美術館」で出会う、杉本博司と茶の湯の世界

杉本博司氏とも親交の深い陶芸家・辻村史郎氏の茶碗などが用意されており、まさに「数寄者」気分を味わえる贅沢な体験。

苔むした中庭を眺めながら、自分好みの一碗で一服する時間は格別です。

(※コーヒーや紅茶などのメニューもあります)

白金台の静寂と現代の感性。生まれ変わった「荏原 畠山美術館」で出会う、杉本博司と茶の湯の世界

ミュージアムショップ

白金台の静寂と現代の感性。生まれ変わった「荏原 畠山美術館」で出会う、杉本博司と茶の湯の世界

展覧会の図録はもちろん、オリジナルグッズや、日常に取り入れやすい茶道具などがセレクトされています。

洗練されたデザインのアイテムが多く、鑑賞の記念やお土産探しにぴったりです。

快適に過ごすためのファシリティ情報

来館前に知っておきたい、館内設備についての情報をまとめました。

トイレ・ロッカー

白金台の静寂と現代の感性。生まれ変わった「荏原 畠山美術館」で出会う、杉本博司と茶の湯の世界

本館1階に、清潔で広々としたトイレが完備されています。

もちろんロッカーもあり、手荷物を預けて身軽に鑑賞できます。

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【重要】完全キャッシュレス決済

現在、チケット購入やショップ・カフェの支払いは「完全キャッシュレス(クレジットカード、電子マネー、QR決済のみ)」となっています。

現金は使えませんので、準備をお忘れなく!

過去と未来が交差する場所へ

白金台の静寂と現代の感性。生まれ変わった「荏原 畠山美術館」で出会う、杉本博司と茶の湯の世界

リニューアルによって、より洗練された「美のオアシス」となった荏原 畠山美術館。

静かな空間で古美術と現代建築に向き合う時間は、忙しい日常を忘れさせてくれる極上のひとときです。

今だけの特別な展示を、ぜひその目で確かめてみてください。

ということで、超個人的なオススメ度は…。

★★★

あくまで私個人の感想ですが、参考にしていただければ幸いです。

これからも少しずつアートやファッション関係の記事を書いています。

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施設情報

施設名: 荏原 畠山美術館(Ebara Hatakeyama Museum of Art)

住所: 東京都港区白金台2-20-12

アクセス: 都営地下鉄浅草線「高輪台駅」A2出口より徒歩5分

公式サイト: https://www.hatakeyama-museum.org

開催中の展示: 新館開館一周年記念「数寄者」の現代(〜2025年12月14日まで)

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