上野にある東京都美術館で「マティス展 Henri Matisse: The Path to Color」が開催中です。
フォーヴィスム(野獣派)で知られる20世紀の代表的な画家アンリ・マティス。
世界最大規模のマティスコレクションを誇るパリのポンピドゥー・センターから約150点の作品を集めた、日本では約20年ぶりの大規模な回顧展です。
開催前から注目されていた展覧会なだけあって、会場はなかなかの混雑具合。
絵画を中心に、彫刻、ドローイング、版画、切り紙絵、そして晩年に手がけた南仏ヴァンスのロザリオ礼拝堂に関する資料まで、各時代の代表的な作品から巨匠マティスの創作の歴史を辿れる内容で、とても面白かったです。
そして最後に待ち受ける特設ショップで販売されているオリジナルグッズがかなり充実していたので、展覧会のお土産選びも楽しめる展覧会でした。
本記事は「マティス展」の概要、チケット、所要時間や混雑状況、グッズ、そして個人的な感想をまとめたものとなります。
写真撮影できる箇所が少ないので作品の紹介は少なめとなりますが、マティス展に行こうか悩んでいる方やこれから行こうと考えている方の参考になれば幸いです。
開催概要
展覧会名 | マティス展 Henri Matisse: The Path to Color |
会期 | 2023年4月27日(木)〜8月20日(日) |
休室日 | 月曜日、7月18日(火) ※ただし5月1日(月)、7月17日(月・祝)、8月14日(月)は開室 |
開室時間 | 9:30〜17:30、金曜は20:00まで ※入室は閉室の30分前まで |
会場 | 東京都美術館 企画展示室 |
住所 | 〒110-0007 東京都台東区上野公園8-36 |
チケットについて
チケットの料金は以下の通りです。
一般 | 2,200円 |
65歳以上 | 1,500円 |
大学生・専門学校生 | 1,300円 |
高校生以下 | 無料 |
ペア割※平日限定 | 4,000円 |
音声ガイドセット券※平日限定 | 2,750円 |
チケットは混雑を避けるため日時指定予約制となっています。
会場のチケットカウンターで当日券の販売も行っていますが、入場時間が選べず、当日券が完売している場合もあるので、事前にオンラインサイトで購入するのがおすすめです。
オンラインでの事前購入は発券の必要がない公式チケットサイトでの購入がおすすめです。
購入後に送られるQRコードをスマートフォンに表示して、受付に読み取ってもらって入場するだけなので楽ちんです。2回まで日時変更ができるのも安心です。
ちなみに公式チケットサイトは4月13日(木)〜5月10日(水)までの期間は、4月27日(木)〜6月9日(金)までの購入・予約が可能。5月11日(木)以降は来場日の30日前から順次購入が可能となっています。
他のプレイガイドを利用する場合は購入できるタイミングなどもことなるので詳しくは公式サイトで確認してみてください。
音声ガイドについて
マティス展には有料の音声ガイドが用意されています。
ナビゲーターは女優の「上白石萌歌」さん。コンテンツ数は20前後で解説時間は約35分です。
音声ガイドは会場で専用ガイド機をレンタルするたいぷと、事前に「聴く美術」アプリからダウンロードをして、スマートフォンから視聴する2タイプから選べます。料金はそれぞれ以下の通りです。
会場レンタル版 | 650円 |
アプリ配信版 | 800円 |
会場でレンタルする場合の支払いは現金のみなのでご注意を。
個人的には少し割高ですがアプリがおすすめ。
アプリ限定のコンテンツが3つほどあるのと、配信期間中であればどこからでも何度も視聴できます。
アプリ版を利用する方はイヤホンはお忘れずに。
ちなみに展示作品に解説が付いているものも多いですが、当然音声ガイドのほうが情報量が多いです。
また、会場が混雑していると作品に付いている解説を読むのが困難なので、音声ガイドを借りてて良かったなと思うシーンも多かったです。空いてたらいらないかも。
トイレ・ロッカーについて
トイレは展覧会場内にもフロアごとに用意されています。
ロッカーは100円硬貨を使うコインリターン式です。日や時間帯にもよりますが、東京都美術館はコインロッカーが全部使用されてしまっているなんてことも多いです。
ただ、企画展示室入り口の近くにあるロッカーは、ここにあると気付いていない人が多いので穴場です。埋まってそうと思ったらぜひチェックしてみてください。
展覧会の内容
20世紀を代表するフランスの巨匠「アンリ・マティス」(1869〜1954年)。
純粋な色彩による絵画様式であるフォーヴィスム(野獣派)を生み出し、モダン・アートの誕生に決定的な役割を果たしました。
感覚に直接訴えかけるような鮮やかな色彩と光を探求し、「色彩の魔術師」なんて呼ばれていたりもします。
そして残された作品は後世の芸術家たちにも今も大きな影響を与え続けています。
この展覧会では世界最大規模のマティス・コレクションを所蔵するポンピドゥー・センターの全面的な協力を得て、絵画を中心に、彫刻、ドローイング、版画、切り紙絵、そしてマティス自身がその生涯の創作の集大成とみなした南仏ヴァンスのロザリオ礼拝堂に関する資料など、日本初公開作品を含む約150点もの作品が集結。
そしてほぼ時系列に8章に分けてマティスの創作活動を紹介しています。
- 第1章 フォーヴィスムに向かって 1895〜1909年
- 第2章 ラディカルな探求の時代 1914〜1918年
- 第3章 並行する探求ー彫刻と絵画 1913〜1930年
- 第4章 人物と室内 1918〜1929年
- 第5章 広がりと実験 1930〜1937年
- 第6章 ニースからヴァンスへ 1938〜1948年
- 第7章 切り紙絵と最晩年の作品 1931〜1954年
- 第8章 ヴァンス・ロザリオ礼拝堂 1948〜1951年
4章〜6章は撮影可能
LBF〜2Fの3フロアを使って作品が展示されておりますが、1Fスペースにあたる「第4章〜第6章」だけは撮影可能となっております。
そのほかのエリアは撮影禁止となりますのでご注意を。
せっかくなのでちょっとだけ4章〜6章までの様子ごご紹介します。
第4章 人物と室内 1918〜1929年
1918年に南フランスのニースに拠点を移したことからはじまる「ニース時代」の作品群で構成されています。
章の初めは木炭やグラファイトで描かれたモノクロームの作品が並びます。こちらは自画像。
モノクロームの作品のあとは鮮やかな色彩作品が並びます。
こちらはオリエンタルな衣装に身を包む女性モデルを描く「オダリスク」のテーマ作品。異国情緒あふれる衣装はマティスの手作りなんだとか。
ここのエリアにはマティスの年譜も展示されています。
壁画(ダンス)を描くマティスの姿なども見れます。イケオジですね。
第5章 広がりと実験 1930〜1937年
第5章ではひとりの女性がうつ伏せになって目を閉じる絵画作品の「夢」から始まります。展覧会のキービジュアルにもなっていますね。
モデルはリディア・デレクトルスカヤというマティスの助手を務めていた女性です。
リディアはその後、秘書・お気に入りのモデルとしてマティスが亡くなるまで傍で支えていたそうです。
その他には「座るバラ色の裸婦」や
「貝殻のヴィーナス」など
何度も修正や再構成を繰り返したような強いマティスの探究心を感じられる作品が展示されております。
第6章 ニースからヴァンスへ 1938〜1948年
第二次世界大戦が始まったころ、マティスは70歳を超えていました。
1941年に大病に見舞われ、ベッドの上で制作を続けます。
その頃マティスが挑戦したのは線ではなく色でも挑戦した作品群です。
この「立っているヌード」は女性や椅子は太く、黒い輪郭線で描かれている一方で塗り残しをしていたり、平坦な画面に工夫が見られます。
その後、ニースからヴァンスへ移住。
そこで最後の油絵連作となる「ヴァンス室内画」を制作しました。
この「黄色と青の室内」がシリーズ最初の作品。
こちらの「赤の大きな室内」がシリーズ最後の作品。
よく見ると置かれている物が角度が違ったり、異なったさまざまな世界が調和されて一枚の絵画となっています。
その他には1943年に出版され、17組158点のドローイングが収録されていたアルバム「主題と変奏」。
マティスの切り紙絵が表紙に飾られている雑誌「ヴェルヴ」などが展示されています。
混雑状況と所要時間
私は日曜の9:30〜の枠を予約。9:30ぴったりに着きましたが、会場入り口には長めの列ができていました。
朝早い時間だったのでロッカーはまだ余裕がありました。
2〜3分並んで会場に入れました。それなりに人は入っていましたが朝早い枠のおかげか自分のペースでストレスなく作品鑑賞できました。
紙の作品リスト配布されていますし、一つ一つの作品には作者、作品名、制作年などのキャプション付き。いくつかの作品には解説文も付いていました。
入場してから出るまでの所要時間はだいたい1時間半くらいでした。
特設のグッズショップ
会場の最後には特設のグッズショップがあります。
かなり広く、ラインナップもかなり充実していてグッズショップを見るのもかなり楽しかったです。
3種類の表紙から選べる図録から始まり、ポスター、ポストカードが額とシートが会場で選べてどのように家で飾れるのかイメージできるように売られているのがとてもわかりやすくてよかったです。
でもポストカードを額装したら1万円近い値段…ちょっと高いですね。
アパレルも充実。版画シリーズ「ジャズ」をモチーフにしたTシャツやトートは良かったです。
クッションカバーやスカーフなんかもありました。
これはブロンズ作品を模したかりんとう。たしかに色は同じですね。
マティスの作品に出てくるモチーフ「チョコレートポット」も売ってます。8万円もしますが。
ポストカードがセットになったレモンケーキなんかも売っていました。
あとマティス作品のピンズがランダムで出るガチャポンも置かれていました。
ヴァンス・ロザリオ礼拝堂のステンドグラスデザインのショッパーも見逃せません。
展覧会の感想
開催前から注目されていた展覧会なだけあって多少混んでいましたが、スムーズに展示を見ることができました。
撮影可能なエリアも思ったより多くて写真に残したいという人にも嬉しい内容です。
展覧会の内容もアンリ・マティスの創作活動を代表的な作品を軸に時系列に紹介しており、解説付きの作品も多いのでとてもわかりやすかったです。
そして特設グッズショップがラインナップ、見せ方が面白くていっぱい買ってしまいそうになりました。
ということで、「マティス展」の超個人的なオススメ度は…。
★★★☆☆
あくまで私個人の感想ですが、参考にしていただければ幸いです。
これからも少しずつアートやファッション関係の記事を書いています。
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