マンガ家の赤塚不二夫さんが設立したプロダクション「フジオプロ」の旧社屋を会場に「フジオプロ旧社屋をこわすのだ!!展『ねぇ、何しに来たの?』」が開催中です。
私も幼い頃に「天才バカボン」「もーれつア太郎」「おそ松くん」など数々の赤塚不二夫先生の作品を見て育ってきており、作品や登場するキャラクターたちが好きでよくノートに描いていたりするほど思い入れのあるマンガ家の1人でもあります。
今回の会場であるフジオプロの旧社屋は赤塚不二夫さんの仕事場兼自宅だった場所を見ることができるのも貴重な体験ですし、老朽化が進み、取り壊される事が決まっているため、この機会を逃すと一生見ることができなくなると思い、すぐにチケットを購入して行ってきました。
会場では赤塚不二夫さんが住んでいた部屋を開放し、マンガの原画や写真などを公開。また、フジオプロ関係者の紹介や秘蔵プライベートフィルムの上映、そして赤塚不二夫をオマージュしたアート作品が展示されています。
実際に行くまではアート作品が中心なのかと思っていましたが、貴重な写真やプライベートフィルムがたくさん展示されていて、赤塚不二夫さんの人柄やその時のフジオプロ社屋の様子が伺えて、とても楽しめました。
この記事では「フジオプロ旧社屋をこわすのだ!!展『ねぇ、何しに来たの?』」の会期やチケットや会場の場所などの概要、展示内容の紹介、所要時間や混雑状況、グッズなどの紹介と、私個人の感想をまとめています。
開催概要
- 開催期間:2022年9月29日(木)~10月30日(日)、11月3日〜11月20日の木、金、土、日曜(祝日含む)
- 休館日:月、火、水
- 時間:11:00〜19:00 ※1日4回(11:00〜、13:00〜、15:00〜、17:00〜)最長滞在時間2時間の予約入れ替え制
- 会場:フジオプロ旧社屋
- 住所:〒161-0032 東京都新宿区中落合1丁目3−15
会場のフジオプロ旧社屋は新宿線下落合駅から徒歩約4分、東西線落合駅からなら徒歩約12分、大江戸線中井駅からなら徒歩約12分の場所にあります。
フジオプロ旧社屋のある下落合は屈指のお屋敷街としても有名で、周りには高級低層マンションが多く並ぶ閑静な住宅地でした。
チケットについて
チケットは概要にも記載のとおり、予約入れ替え制のため、事前にオンラインサイトから希望の日時を選んで購入します。各回の入場人数は20名。
チケット料金は500円(税込)で、小学生以下は無料です。
元々開催期間は10月30日までだったのですが、開催3日目にしてすべての日程のチケットが完売!
私も発売開始後すぐに購入しましたが、土日の枠はすごい勢いで売り切れていってました。
先日会期延長が決定しており、延長期間「11月3日〜11月20日」のチケットは10月17日の0時より販売開始されます。
これからチケットの購入を検討している方は、販売URLなどが変更になるかもしれないので、公式サイトのお知らせをチェックすることをおすすめします。
展示内容について
ここからは実際に会場の様子をお伝えします。
私は11:00〜の回を予約していたので、11:00ちょっと前に旧社屋前に到着。
入り口にはバカボンのパパの像、展覧会の題名の暖簾がかかっています。
他にも「赤塚」の表札だったり
照明がニャロメになってたりと入り口だけでも見所がちょいちょいあります。
11:00になると、入り口が開いて、検温・アルコール消毒をして中に入ります。
入り口すぐの場所には赤塚不二夫さんが旧社屋の前でバカボンのパパの格好をして撮った写真が飾られています。
1階の展示室入り口ではオンラインでチケットを購入した時に発行されるQRコードを読み取ってもらいます。
会場にロッカーはありません。トイレは1階にありました。
2階より先は靴を脱いでの観覧となるので、靴下着用推奨。靴を入れるビニール袋は入り口でもらいます。
階段は結構急勾配なのでスカートじゃないほうがいいかも。
撮影禁止のマークが付いた場所以外は写真撮影可能です。
1階
1階入り口すぐの場所は物販コーナーとなっております。
展覧会オリジナルのTシャツやステッカーなどから、赤塚不二夫グッズがいろいろと販売されておりました。
この部屋は元々フジオ・プロダクションの事務所だったそうです。
今回の展示室のためカーペットを取り外し、展覧会の企画に賛同したみうらじゅんさん、しりあがり寿さんなどが手がけた赤塚さんをオマージュした作品が展示されています。
こちらはみうらじゅんさんの作品。
絵の右上のメモに長い作品タイトルが書かれています。
天井を見ると、西からのぼったお日サマが♪と
アニメ天才バカボンの歌詞を思い起こさせるようなしりあがり寿さんの作品。
他にも五木田智央さんの作品や
安西肇さんの作品
サ道のタナカカツキさんの作品など参加してるアーティストはこのフロアを見るだけでも豪華ですね。
しりあがり寿さんの作品が描かれている壁から奥の部屋に進みます。
奥の部屋は元々社長室だったとか。
ここには俳優の浅野忠信さんが描いた「夕焼け」。
OPENと書かれた場所を開けると少年サンデーに掲載されていた天才バカボンの見開きが登場。
そのほかには写真家の野上眞宏さんの作品や、宇川直宏さんの映像作品が展示。
このプラレールの作品は中野祐介/パラモデルのプラレールを使った作品。
よく見ると顔になっており、先の廊下まで続いています。
廊下に出ると、棚が開いていて、中を見ると小さな門松が入っていたりとこんなところにまで遊び心が。
廊下を少し進んで右の赤い部屋には田名網敬一さんの秘密のアッコちゃん。
伊藤桂司さんのスプレーとチョークで描いたレレレのおじさんに、EYEさんの作品が展示されています。
受付まで戻ってきたので、靴を脱いで2階に上がります。
ちなみに階段の横にトイレがあるのですが、普通のトイレと逆で鍵は赤が開いてて、青が閉まっているぽいです。
2階
脱いだ靴は受付でもらったビニール袋に入れて持って2階へ移動。
階段には赤塚不二夫さんの写真がいくつか飾られています。
2階の部屋は新築時はアシスタント部屋として使われ、90年代の改装で居間兼仕事部屋兼宴会場、時にはミニシアターに変わったそうです。
入ってすぐに目に入ったのが、大きなスピーカーとたくさんのデッキ。
そして横には「シェー!!」のポーズをした赤塚不二夫さんの写真。
反対側には赤塚さんがよく使っていたというテーブルとバカボンのパパの巨大なぬいぐるみが置かれております。
テーブルの上にはノートが置かれており、訪れた方たちの寄せ書きがされています。
2階の壁にはかなりたくさんの写真が壁に貼られています。その数約1000枚。
写真からも赤塚不二夫さんのはちゃめちゃな正確やこの場所で友達や仲間たちと食事したり楽しく過ごしていたことが伺えました。
ちなみに高い位置にある写真なども見やすいように双眼鏡が借りれたりもします。
2階に貼られている写真に多く写っているのが猫の「菊千代」。
菊千代がバンザイして寝ているポーズや赤塚不二夫さんと一緒に寝ている写真など、猫好きの私にはグッとくるものがありました。
奥の一角には赤塚不二夫さんの娘であり、フジオプロ代表でもある赤塚りえ子さんのネオン管を使用した作品が展示されています。
3階
2階から3階に登る階段の壁は写真や資料が飾られたフジオプロの年表になっています。
3階は元々キャラクターグッズなどを保管する場所として使われていたそうです。
赤塚さんの使っていたものや私物、
菊千代の持っていた通帳なども飾られています。
また、赤塚さんのチーフアシスタントを務めていた吉勝太さんや「釣りバカ日誌」でも知られる北見けんいちさんなどの赤塚さんとゆかりのある人たちの原稿や色紙なども飾られています。
でん六の鬼のお面も赤塚さんがデザインしてたんですね。
奥の部屋にはマンガ3作品の原画が展示されています。
こちらは菊千代を題材にした作品ですね。
赤い衣装は赤塚さんのマンガ家生活40周年と還暦を祝う会で着たチャップリンの赤いコスプレ衣装です。
さらに奥には赤塚さんの作品集やコスプレ写真などが展示されています。
4階
4階にはKazの作品「めいそう」を展示。1990年に作られていた瞑想部屋を再現した空間になっています。
1組ずつしか入れないので、3階で整理券をもらって順番が来たら4階に登って部屋に入ります。
ミラーボールに映像が反射して不思議な空間に。
赤塚さんは友人の石ノ森章太郎先生の自宅に瞑想部屋があることに触発されて作ったそうですが、30分も経たないうちにつまらないと言って出てきてしまい、それ以来使われることがなかったそうです。
この瞑想部屋は人によって目が回ることもありそうなので、階段を降りる際は注意してください。
所要時間、混雑状況、感想
所要時間は1時間ちょっとでした。
各回の入場者数が20名と制限がかけられているので、混雑していると感じることもなくスムーズにすべての展示を見る事ができました。
展示内容は貴重な写真や資料などがたっぷり見られ、建物自体からも赤塚不二夫さんの自由で楽しく生きている雰囲気が感じられ、とても温かい気持ちになり、楽しめる展覧会でした。
ということで「フジオプロ旧社屋をこわすのだ!!展『ねぇ、何しに来たの?』」の超個人的なオススメ度は…。
★★★★☆
あくまで私個人の感想ですが、参考にしていただければ幸いです。
これからも少しずつアートやファッション関係の記事を書いています。
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