国立新美術館「田名網敬一 記憶の冒険」に行った感想。チケット、混雑状況、所要時間、グッズなど

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アート
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東京・乃木坂の国立新美術館で田名網敬一の世界初となる大規模回顧展「田名網敬一 記憶の冒険」が開催中です。

今年米寿を迎えた田名網敬一。1960年代よりデザイナーとしてキャリアをスタートさせ現在に至るまで雑誌や広告を主な舞台として日本のアンダーグラウンドなアートシーンを牽引してきました。

本展覧会では、60年以上にわたる縦横無尽な創作活動を「記憶」をテーマに総覧。初公開の最新作を含む500点以上もの作品が集います。

本記事では「田名網敬一 記憶の冒険」について、アクセスやチケットなどの概要から、所要時間に混雑状況、販売されているグッズ、そして個人的な感想をまとめています。

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展覧会の概要

会期2024年8月7日(水)〜11月11日(月)
休館日毎週火曜日
開館時間10:00〜18:00
※毎週金・土曜日は20:00まで
※入場は閉館の30分前まで
チケット・料金一般 2,000円
大学生 1,400円
高校生 1,000円
中学生以下 無料
会場国立新美術館 企画展示室1E
住所〒106-8558東京都港区六本木7-22-2

チケットは国立新美術館で当日券を購入するほか、オンラインサイトにて来場前に購入ができます。

日時指定制ではないで気軽に観に行けます。

音声ガイドについて

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本展覧会には無料の音声ガイドがついています。

会場入り口にあるQRコードを自身のスマートフォンで読み取って利用するタイプです。もし利用するならイヤホンなどを持って行ったほうがよいです。

ナビゲーターはシンガーソングライターのセレイナ・アンさんが務めます。

無料ですがコンテンツ数は10。収録時間は20分弱と十分なボリュームです。

音声ガイドは会場外でも利用できるので、家でおさらいするのにもとても便利でした。

会場は写真撮影が可能

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本展覧会は写真撮影が可能です。

大型の彫刻作品など写真を撮りたくなるようなスペースも結構あるので、写真撮影が可能なのはとても嬉しかったです。

ただしフラッシュ撮影、三脚や自撮り棒の使用は不可。

動画撮影も不可となります。

所要時間に混雑状況

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私は日曜の午前中に観にいきました。

入り口に並びはなく、すぐに入れました。

会場内も最初は空いていて、作品もとても見やすかったです。

500点を超える作品数に、映像作品も多数あるので全てしっかり見るとそれなりに時間が必要です。

私は少し映像作品を飛ばしましたが入場してから最後のグッズショップに行くまでの所要時間はちょうど1時間半くらいでした。

全部しっかりみるなら2時間半以上は必要だと思います。

展覧会の内容

会場はプロローグとエピローグを含めた全13章で構成されています。

回顧展らしく、60年を超える田名網敬一の創作活動がしっかりと追えるような内容でとても見やすかったです。

それではここから実際に会場の様子を写真中心にご紹介していきます。

プロローグ 俗と聖の境界にある橋

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会場に入り、まず登場するのが橋を使った新作のインスタレーション<百橋図>です。

橋が無数に重なりあい、プロジェクションマッピングで奇妙な生き物たちが闊歩します。

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その作品の向かいには屏風型の同名の作品が展示されております。

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田名網らしいコラージュ作品。暗い空間に展示された2つの作品を見ると異世界に入ってしまったような感覚に陥ります。

第1章 NO MORE WAR

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1936年に東京・京橋の服地問屋に家に生まれた田名網敬一。

幼少期に経験した第二次世界大戦は死のイメージを脳裏に色濃く焼き付け、今も作品に大きな影響を与えています。

第1章では60〜70年代の作品が並びます。

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1957年に日宣美展で特選を受賞して以来、多数のポスターを制作し続けてきた田名網。ここでは数々のポスター作品を見ることができます。

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ポップアートを強く意識したシルクスクリーン作品<ORDER MADE!!>。

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カウンターカルチャーを扱うアメリカの「AVANT GARDE」誌が行った反戦ポスター公募企画に入選した<NO MORE WAR>などを紹介しています。

第2章 虚像未来図鑑

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この章ではグラフィックデザイナーとしての仕事の紹介に加え、無数のコラージュ作品が紹介されています。

フリーのグラフィックデザイナーとなり、女性誌や音楽雑誌を手掛けるようになった田名網。

1969年には過度に情報が溢れるようになった社会の行く末を予見したようなアーティストブック<虚像未来図鑑>を出版。

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1975年には日本版月刊<PLAYBOY>の初代アートディレクターに就任しました。

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また、グラフィックデザインの仕事に忙殺されながらも個人的な楽しみのためコラージュ作品を集中して制作するようにもなったそうです。

第3章 アニメーション

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グラフィックデザイナーとして活躍しながらも、アニメーション作家の久里洋二のもとで映像制作も学んだ田名網。

この章では60〜70年代の映像作品の素材が絵画のように展示。

奥の部屋では実際の映像作品が展示されています。

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7つの映像作品が順に流れていますが、どれも5分前後なので30〜40分ほどで全作品見ることができます。

第4章 人口の楽園

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1980年に中国を旅行した際に見た自然に感動し、古代中国の不老不死を願う神仙思想やアジアの民衆文化に興味を持つようになっていた田名網。

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1981年には多忙な生活が影響し、結核により4ヶ月入院。薬の副作用により幻覚と夢にうなされる日々を過ごしたそうです。

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その幻覚のイメージを創作へ発展させ、以前のポップアートから影響を受けた作風から一変し、奇妙な楽天的世界観を絵画、版画、立体といったさまざまなメディアで表現するようになりました。

第5章 記録をたどる旅

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1990年以降はドローイングによって自身の記録の検証を試みるようになった田名網。

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自分自身の脳裏に沈澱する記憶を発掘して浮かび上がった記録を定着させていくシリーズ<cat.5-13>。

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<エレファントマン>シリーズなどが紹介されています。

第6章 エクスペリメンタル・フィルム

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印刷技術を映像に取り入れ、新聞や雑誌の網点を拡大し動かす<Why>が出迎えるこの章では、映像作品を紹介しています。

70代アメリカのアンダーグラウンドなインディペンデント映画に影響を受け、実験映像も制作。

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映像作家の松本俊夫と映像展も開催しました。

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1990年代にはドローイングを多数制作する中で、それらをアニメーションと動かしたいという欲求から、アニメーション作家の相原信洋と共同制作を行うようにもなりました。

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ここではかなりの数の映像作品が流れており、全て見るためには2時間くらいはかかりそうです。

第7章 アンチンボルドの迷宮

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ジュゼッペ・アルチンボルドの作品を引用して作られた立体作品と、アトリエの一部を再現した小屋のインスタレーションが登場。

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アトリエには複数の色指定原画が張り巡らされ、まるで店網の脳内を覗くような奇妙な体験となります。

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ドローイングと色指定原画と完成されたポスターが無数に紹介されています。

第8章 記憶の修築

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2012年に発見した自身の過去のコラージュに触発されて制作を開始されたカンヴァスを使用したコラージュ作品を紹介しています。

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中央には<記憶の修築>と題された温室が展示されており、内部には田名網の夢日記やスクラップブックが入れられています。

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第9章 ピカソの悦楽

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コロナ禍以降手がけたピカソの作品を模写するシリーズを制作するようになりました。

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その数はなんと700点以上。そのシリーズの作品によって壁が埋め尽くされています。

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写経のごとく無心に次々と模写し、ピカソ独自の筆の動きや調色の仕方を真に理解し、それらのモチーフや色彩感覚と自在に結びつけていきました。

第10章 貘の札

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88歳を迎えた田名網は、自身の記憶の曼荼羅ともいえる大画面の作品制作に取り組んできます。

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戦闘機から金魚、松に至るまで、さまざまなモチーフがコラージュされています。

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一見グロテクスで不気味に見える田名網の作品ですが、不思議とネガティブなイメージを受けず、ポジティブな印象を受けます。

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この章のタイトル貘の札は、枕の下に敷いて寝ることで縁起の良い夢を願う札のことです。

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田名網の作品も魔除けのようなもので、幸運をもたらす護符のような役割を担う存在でもあるということを示しています。

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第11章 田名網敬一×赤塚不二夫

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「おそ松くん」「天才バカボン」など数々のヒット作を生み出した漫画家赤塚不二夫。

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2015年に赤塚の生誕80周年記念の展覧会が開かれ、田名網は絵画を1点出品したのをきっかけに、コラボレーション作品を制作。

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赤塚の漫画のエッセンスと田名網独自のモチーフ、鮮烈な色使いが一体となっています。

エピローグ 田名網キャビネット

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最終章では田名網が60年以上にわたる活動の中で手がけてきた書籍やレコード、グッズなどのコラボレーションアイテムを紹介しています。

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近年ではadidas、Ground Y、バービーなど世界的に知られたブランドや企業、ミュージシャンから多くの誘いを受け、世代を超えたコラボレーションを行っています。

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最後には田名網のインタヴュー映像(7分)を見ることができます。

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特設ショップではオリジナルグッズを多数販売

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展覧会の最後には特設ショップがあり、多数のオリジナルグッズが販売されています。

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定番のTシャツやトートバッグも、田名網が生み出した奇想天外なモチーフと極彩色が唯一無二感を醸し出していて、とても良いですね。

今流行りのヴィンテージTシャツ感もあって、とてもおしゃれに見えます。

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ポスターやポストカード、図録といった定番アイテムも充実。

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adidasやNEW ERAとのコラボレーションアイテムにも注目です。

ちなみに会場を出て、国立新美術館の外に出ると巨大なバルーン作品が展示されています。

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東京メトロ直結の出口から直接国立新美術館に行くと出会えないので、お見逃しなく。

展覧会の感想

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田名網敬一の60年以上にわたる縦横無尽な創作活動を「記憶」をテーマに総覧。

田名網敬一がどのようなアーティストなのかを丁寧に紹介する回顧展なので以前から知っている方はもちろん、初めて田名網敬一の作品を見るという方も楽しめる内容なのではないかと思います。

500点以上もの圧倒的なボリュームと摩訶不思議な世界観にどっぷり浸かれました。

全作品写真撮影可能なのも嬉しかったですし、特設ショップで販売されているオリジナルグッズもユニークかつおしゃれで、見ているだけでも楽しかったです。

ということで、「田名網敬一 記憶の冒険」の超個人的なオススメ度は…。

★★★☆☆

あくまで私個人の感想ですが、参考にしていただければ幸いです。

これからも少しずつアートやファッション関係の記事を書いています。

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