「Viva Video! 久保田成子展」に行った感想。所要時間や混雑状況など

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「Viva Video! 久保田成子展」に行った感想。所要時間や混雑状況など アート
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映像と彫刻を組み合わせた「ヴィデオ彫刻」で知られる久保田成子の個展が東京都現代美術館で開催中です。

2015年に亡くなって以来、国内での大規模な個展は初となります。

復元されたヴィデオ彫刻のほか、ドローイング、資料などを中心に、国内美術館の所蔵品や作家の遺族からの借用品を含めて初公開資料を多数展示しています。

本記事は「Viva Video! 久保田成子展」にはどんな作品が展示されているか、チケットや混雑状況に所要時間、そして私自身の個人的な感想をまとめたものになります。

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会期やアクセスなどの基本情報

  • 会期:2021年11月20日(土)~2022年2月23日(水・祝)
  • 休館日:月曜日 (2022年1月10日、2月21日は開館 )、年末年始 (12月28日-1月1日 )、1月11日
  • 開館時間: 10:00-18:00(展示室入場は閉館の 30 分前まで)
  • 会場:東京都現代美術館 企画展示室 3F
  • 住所:〒135-0022 東京都江東区三好4丁目1−1

美術館内にロッカーがあるのでコートや大きな荷物などは事前にロッカーに預けることができます。

展示室内にたしかトイレはなかったと思うので、入場する前に済ませておきましょう。

チケットについて

観覧料
  • 一般 1,400円
  • 大学生・専門学校生・65歳以上:1,000円
  • 中高生:600円
  • 小学生以下:無料

東京都現代美術館では、新型コロナウイルスの感染予防・拡散防止のため、展覧会のご観覧にあたり各時間に定員を設けた予約優先チケット(日時指定券、日付指定券)を導入しています。

当日券も販売しているようですが、混雑状況によっては入場まで待つこともあるので来場前に予約優先チケットを購入することをおすすめします。

また、同時期開催の「クリスチャン・マークレー トランスレーティング[翻訳する]」、「ユージーン・スタジオ 新しい海 After the rainbow展」も観覧予定であれば、観覧料がお得になるセット券も販売していますのでそちらもぜひ検討してみてください。

予約優先チケット(日付指定券)はこちらから

所要時間や混雑状況、写真撮影について

私は祝日のお昼過ぎに行きました。

入場時間も関係あると思いますが、同時期開催の展覧会の中では一番空いていた印象です。なので1つ1つの作品をゆっくり見ることができました。

写真撮影は最初の展示室と廊下部分までは禁止ですが、それ以外は可能です。ただし動画撮影は全て禁止なので注意しましょう。

また、作品の保存のため、動作時間が限られている作品が3点あります。せっかくなら実際に動いている状態を見た方がいいと思いますので、事前に動作時間はチェックしておきましょう。

1. デュシャンピアナ:自転車の車輪1,2,3
毎時30分~ 40分

2. ヴィデオ俳句―ぶら下がり作品
10:15~11:15/12:15~13:15/14:15~15:15/16:15~17:15

3. スケート選手
11:00~12:00/13:00~14:00/15:00~16:00/17:00~18:00

具体的な作品については後でご紹介します。

所要時間はだいたい1時間半くらいでした。若干動作時間を待ったので、しっかり時間を狙っていけば1時間くらいだと思います。

展覧会の内容

「Viva Video! 久保田成子展」に行った感想。所要時間や混雑状況など

展覧会ではヴィデオ彫刻で一躍有名になる以前の活動や、ヴィデオ・アートに取り組み始めた最初期から晩年までの創作活動を全7章に分けて時系列に紹介しています。

第1章 新潟から東京へ(撮影禁止エリア)

「Viva Video! 久保田成子展」に行った感想。所要時間や混雑状況など

新潟での生い立ちと東京での活動を、個人的な資料や写真、初期の作品などを通して紹介しています。

オノ・ヨーコや夫となるナムジュン・パイクらとの関係、そして女性アーティストの活躍の場が限られていることに失望し、ニューヨークへ移住をするまでがわかります。

第2章 渡米とフルクサスへの参加 パフォーマンスに身を投じて(撮影禁止エリア)

ニューヨークに渡り、フルクサスに参加して活動の幅を広げる久保田さんの動向をたくさんの資料を元に追います。

フルクサスは1960年代に誕生した国際的で領域越境的なアーティストからなる集団で、代表であるジョージ・マチューナスの呼びかけで集まった70名ほどのグループです。

ちょうど同時期開催のコレクション展「MOTコレクション Journals 日々、記すvol.2」でもフルクサスの展示がされているので、合わせて見るとより楽しめると思います。

第3章 ヴィデオとの出会い 女性たちとの協働 キュレーターとして(撮影禁止エリア)

1970年頃からナムジュン・パイクと共同生活を始めた久保田さんはヴィデオを用いた表現に取り組み始めます。

ソニーのポータパックを担ぎ、1人でヨーロッパを旅しながら撮影した初期の作品<ブロークン・ダイヤリー:ヨーロッパを一日ハーフインチ>などが紹介されています。

ここまでが撮影禁止エリアなのですが、展示の情報量は多く、どれも見入ってしまうものばかりでした。資料が多いですがじっくりと鑑賞すると、この後の作品もより楽しめます。

第4章 ヴィデオ・彫刻の誕生 デュシャンピアナ

「Viva Video! 久保田成子展」に行った感想。所要時間や混雑状況など

映像を用いた表現に造形的な要素を持たせたいと考えた久保田さんは、彫刻と映像を組み合わせた立体作品を制作していきます。

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この<デュシャンの墓>は床から天井までテレビモニターを積み上げ、その機械部分を木製の立体で多い、鏡を使って無限の連なりを出現させました。

「Viva Video! 久保田成子展」に行った感想。所要時間や混雑状況など

ここから本格的にヴィデオ彫刻作品の展示が始まります。

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こちらの<デュシャンピアナ:階段を降りる裸体>はデュシャンの油彩画を引用した久保田さんの代表作の一つ。

階段の中にヌードの女性が階段を降りている映像を組み込んでいます。

<デュシャンピアナ:ビデオ・チェス>

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こちらの<デュシャンピアナ:ドア>は体験型の作品。

「Viva Video! 久保田成子展」に行った感想。所要時間や混雑状況など

ドアを開けて中に入ることができます。

デュシャンの引用で直角を成す2つのドアの扉は1枚しかなく、内部のモニターには葉巻を吸うデュシャンが映し出されています。

「Viva Video! 久保田成子展」に行った感想。所要時間や混雑状況など

ドアの中には1人ずつしか入れないので多少待つ可能性があります。

<メタ・マルセル:窓(三つのテープ)>

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デュシャンの作品を引用したものですが、巨匠の呪縛から脱却を意図して「メタ・マルセル」と名付けられています。

第5章 自然と円環

マルセル・デュシャンからの脱却をはかり、独自の表現を模索した久保田さんは山や河といった自然をモチーフに取り入れます。

<三つの山>

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三つの山の内部にヘリコプターから撮影したグランドキャニオン、車窓からのエコー・クリフ、タオスの夕焼けの蜃気楼、ティートンの日没の4つの映像が組み込まれています。

中を覗くと万華鏡のようにキラキラしていました。

「Viva Video! 久保田成子展」に行った感想。所要時間や混雑状況など

<河>

「Viva Video! 久保田成子展」に行った感想。所要時間や混雑状況など

折り紙の笹舟を模した金属彫刻の中の水が波打ち、逆さ吊りされたモニターの写り込みが絶えず揺れ動いています。

映像は水の中を泳ぐ久保田さん自身の姿に、カラフルな星やハートの形のパターンが重ねられています。

「Viva Video! 久保田成子展」に行った感想。所要時間や混雑状況など

<デュシャンピアナ:自転車の車輪1、2、3>

「Viva Video! 久保田成子展」に行った感想。所要時間や混雑状況など

スツールと自転車の車輪が組み合わせられ、モーターにより車輪を回転させ、さらにその中に小型のモニターを設置し、映像を円環運動の中に取り込みました。

「Viva Video! 久保田成子展」に行った感想。所要時間や混雑状況など

※動作時間/毎時30分~ 40分

<ヴィデオ俳句―ぶら下がり作品>

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球体のモニターが振り子運動を行い、その下には湾曲した鏡が置かれています。

覗き込むと鑑賞者の姿を捉えたライブ映像がモニターに映し出されているのが、鏡の映り込みによってわかります。

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※動作時間/10:15~11:15/12:15~13:15/14:15~15:15/16:15~17:15

第6章 空間への広がり 複合的な物語へ

一番ワクワクしたフロア。1980年代後半以降にプロジェクターが現代美術に持ち込まれると、久保田さんも積極的に作品に取り入れました。

<韓国の墓>

「Viva Video! 久保田成子展」に行った感想。所要時間や混雑状況など

1984年にパイクの韓国への帰国に同行した際に印象に残った祖先の墓の形を模したヴィデオ彫刻。

鏡の突起が取り付けられ、その中のモニターが埋め込まれ、そこにプロジェクターからの映像を重ねています。映像には墓参りの様子も映っています。

「Viva Video! 久保田成子展」に行った感想。所要時間や混雑状況など

<スケート選手>

「Viva Video! 久保田成子展」に行った感想。所要時間や混雑状況など

フィギュアスケートの選手「伊藤みどり」さんをモチーフにした人形が、回転するリンクの上をスピンします。

リンクに貼られた鏡にはプロジェクターの映像が反射し周囲に光を投げかけます。

「Viva Video! 久保田成子展」に行った感想。所要時間や混雑状況など

※動作時間/11:00~12:00/13:00~14:00/15:00~16:00/17:00~18:00

<ナイアガラの滝>

「Viva Video! 久保田成子展」に行った感想。所要時間や混雑状況など

ナイアガラの滝の映像を10台のモニターによって多層化。

「Viva Video! 久保田成子展」に行った感想。所要時間や混雑状況など

ヘリコプターで滝に近づき、ヴィデオカメラをのぞくと、吸い込まれるような死の恐怖を感じたという久保田さんの感覚を見るものに与えてくれます。

第7章 芸術と人生

1996年に夫であるパイクが脳梗塞で倒れ、久保田さんはその看護に時間を割くようになります。

作品制作に集中することができなくなりながらも、パイクの療養生活を主題とし、ユーモアと愛に溢れる作品<セクシュアル・ヒーリング>を残し、パイクの没後も彼をモチーフにした彫刻の製作や展示、本の出版などをおこない、2015年にニューヨークでその生涯を終えました。

この章の最後には芸術家の吉原悠博さんによる、久保田さんと交流のあった人々にインタビューをした映像作品が展示されています。

「Viva Video! 久保田成子展」展覧会の感想

展覧会に行くまではそこまで詳しく久保田成子さんについて知りませんでしたが、どのようにヴィデオ・アートの先駆者となっていったのかが時系列でわかりやすく展示されていて、とても見応えがありました。

後半のプロジェクターや鏡の反射をつかったヴィデオ彫刻は視覚的にきれいだとわかりやすく、写真映えもするので幅広い方が楽しめる内容なのかと思いました。

ということで、「Viva Video! 久保田成子展」の超個人的なおすすめ度は・・・。

★★★★☆

あくまで私個人の感想ですが、参考にしていただければ幸いです。

しかもこの展示会以外にも東京都現代美術館で同時期開催している「クリスチャン・マークレー トランスレーティング[翻訳する]」、「ユージーン・スタジオ 新しい海」も素晴らしい内容です。ぜひ合わせてチェックしてみてください。

これからも少しずつアートやファッション関係の記事を書いています。

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