イギリスを代表する現代アーティスト、ダミアン・ハーストの日本初となる大規模個展「ダミアン・ハースト 桜」展が国立新美術館で開催中です。
SNSでも作品を背景に撮った映え写真が投稿されているのを見かけるようになり、現代アート好きのみならず、若者たちにも人気の展覧会になっているのが伺えます。
私もずっと気になる展覧会だったので、開催してすぐの週末に早速行ってきました。
広い展示スペースに縦2.7メートル以上の桜の絵が並んでおり、まるで桜並木を散策しているかのような感覚になれ、一足先に花見を楽しめる空間となっていました。
この記事では「ダミアン・ハースト 桜」展に行ってきた個人的な感想、混雑状況や所要時間、チケットにグッズ情報などをまとめています。
展覧会の概要
会期 | 2022年3月2日(水)~5月23日(月) |
休館日 | 毎週火曜日 ※ただし5月3日(火・祝)は開館 |
開館時間 | 10:00~18:00 ※毎週金・土曜日は20:00まで ※入場は閉館の30分前まで |
会場 | 国立新美術館 企画展示室2E |
住所 | 〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2 |
観覧料
- 一般:1500円
- 大学生:1200円
- 高校生:600円
- 中学生以下:無料
チケットの事前予約は不要です。
当日会場での購入はもちろん、オンラインで事前に購入も可能です(日時指定なし)。
ダミアン・ハーストとは
ダミアン・ハースト(Damien Hirst )は1965年、英国ブリストル生まれ。リーズで育ち、1984年からはロンドン在住しています。
1988年、ゴールドスミス・カレッジ在学中に、学生と共に作品を展示した「フリーズ」展を主催。
同展はハーストだけでなく、その他の新進アーティストのキャリアをスタートさせるきっかけになるとともに、「ヤング・ブリティッシュ・アーティスト(YBAs)」の誕生を示すものとなりました。
1995年にはターナー賞を受賞しています。
私個人としてはダミアン・ハーストと言ったら死んだ牛や鮫をホルマリン漬けにした作品の印象が強いのですが、30年以上のキャリアの中で彫刻、インスタレーション、絵画、ドローイングといったさまざまな手法を用いて生と死、過剰さ、儚さといったテーマを探求しています。
「ダミアン・ハースト 桜」展について
この展覧会で展示されているのはダミアン・ハーストの最新作「桜」シリーズ。
その名の通り桜の風景画の作品群なのですが、19世紀のポスト印象派や20世紀のアクション・ペインティングといった西洋絵画史の成果を独自に解釈し、色彩豊かでダイナミックに完成させています。
桜の絵を描く切っ掛けとなったのは、ハーストの母親が桜の絵を描いていた記憶だったそうです。
そして、2018年から3年の歳月をかけ、107点からなる「桜」シリーズを描き上げました。
2021年にカルティエ現代美術財団が本シリーズを世界初紹介しました。
そして、春には満開の桜が咲き誇る国立新美術館で、日本国内で初の大規模な個展でもある本展が巡回してきました。
この展覧会のために、107点からなる「桜」のシリーズからハースト自身が作品を選び、展示位置やライティングまで細かな指示を出して展示空間を作り上げているそうです。
また会場では、カルティエ現代美術財団によるドキュメンタリー・フィルムが流されています。
ダミアン・ハーストが「桜」シリーズを描き上げたきっかけや、影響を受けたアーティストなどについて語っており、この映像を見てからではまた作品から感じる印象が変わると思います。
このドキュメンタリー・フィルムはYouTubeでも見ることができますので、会場に行く前に見るのもおすすめです。
展覧会の様子、作品について
私は3月中旬の土曜日お昼前に行ってきました。
会場内は写真撮影可能(フラッシュ、一脚、三脚、自撮り棒使用不可)。
動画撮影や作品の接写は禁止なので要注意です。
混雑状況については、人は多いものの、展示空間が広いので作品鑑賞はしやすかったです。
写真撮影が可能ということもあり、作品の前で写真をとる方はかなり多かった印象。
後になればもっと増えそうな予感。
所要時間は45分ほどでした。
私は事前にドキュメンタリー・フィルムを見ていたので、現地でドキュメンタリー・フィルムを見ると1時間くらいだと思います。
それでは実際の展覧会内容についてお話しします。
広い展示空間にほぼ均等に桜の絵が展示されています。
どの絵も2.7メートル以上もの高さがあり、まるで本物の桜の樹の前に立ったような感覚になります。
作品にはそれぞれタイトルが付けられており、それを読み解きながら鑑賞するのも楽しいです。
24点の桜の絵の中から自分のお気に入りを探すのもよいかもしれません。
2点や3点の連作もあり、かなりダイナミック。
奥の展示室には4つのカンヴァスを繋げた一番大きな作品があります。
大きさはなんと5×7メートル。近くで見ても、遠くで見ても大迫力です。
ハーストは没入感を大事にしているようで、大きな桜の絵で埋め尽くされた会場を桜並木のつもりで散策し、一足早い花見感覚を楽しむことができます。
展示室の中央にはイスも用意されているので、イスに座ってゆっくりと作品を見ることもできます。
桜の絵は一見、桜のピンク、空の青、枝の茶を組み合わせたシンプルな絵のように見えますが、近くに寄るとピンクだけでなく、赤や白、緑、青、茶の色が混在しており、実際に見えている光を分割して描かれています。
19世紀のポスト印象派や、20世紀のアクションペインティングといった西洋絵画史の成果を独自に解釈し、色彩豊かでダイナミックな風景画を完成させたものとなっています。
前述したドキュメンタリー・フィルムの中ではスーラやゴッホ、ボナール、そしてベーコンなどの影響を受けていると語り、カンヴァスを立てて、絵の具を含ませた筆を振って、絵の具を飛ばす大胆な制作シーンも見ることができます。
その映像を見てから改めて作品を見ると、また楽しめるのではないでしょうか。
会場ではグッズの販売もされています。点数は少なく、図録、ポストカード、しおり、ポスターなどが売られていました。
展覧会の感想
没入感ある展示空間で花見感覚で作品を楽しめました。
また、ドキュメンタリー・フィルムでハーストが「桜」シリーズを制作するようになったきっかけや、どのようにして制作しているのかを知ってから作品を見ると、また違った印象を受けます。
写真ではなかなかこの作品の良さが伝わらないので、興味を持った方はぜひ会場で体感してみてください。
ということで、「ダミアン・ハースト 桜」の超個人的なオススメ度は…。
★★★☆☆
あくまで私個人の感想ですが、参考にしていただければ幸いです。
これからも少しずつアートやファッション関係の記事を書いています。
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