2026年、日本の現代アートシーンを熱くさせているのが国立新美術館で開催中の「テート美術館展 ― YBA & BEYOND」です。
90年代、保守的な英国アート界を根底から揺るがした若き芸術家集団「YBA(ヤング・ブリティッシュ・アーティスト)」。
彼らの作品が、世界最高峰の現代美術館「テート」のコレクションから一挙に集結しました。
本記事は「テート美術館展 ― YBA & BEYOND」についてアクセスやチケットなどの概要、所要時間に混雑状況、販売されているグッズの情報、そして個人的な感想をまとめています。
これから行こうと検討している方の参考になれば幸いです。
展覧会の概要
| 会期 | 2026年2月11日(水・祝)~2026年5月11日(月) |
| 開館時間 | 10:00-18:00 ※会期中の毎週金・土曜日は20:00まで。 ※入場は閉館の30分前まで。 |
| 休館日 | 毎週火曜日 ※5月5日(火・祝)は開館 |
| 会場 | 国立新美術館 |
| 住所 | 〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2 |
チケット、音声ガイドについて
チケットの料金(入場料)は以下の通りです。
- 一般 2,300円(税込)
- 大学生 1,500円(税込)
- 高校生 900円(税込)
- 中学生以下 無料
日時指定制ではないので、当日窓口で購入しても大丈夫ですが、事前にオンラインで購入しておいたほうがスムーズに入場できるのでおすすめです。
また、本展には有料の音声ガイドが用意されています。

ナビゲーターは本展のアンバサダーである細野晴臣さんと齋藤飛鳥さんです。
展覧会会場入り口にて販売しており、料金は650円。
コンテンツの数は18、2〜30分程度のボリュームです。
ご自身のスマートフォンを利用するタイプなので、音声ガイドを利用したい方はイヤホンなどを持っていっておいたほうがよいです。
私は音声ガイドを利用しましたが、章や作品ごとの解説が結構充実しているので、音声ガイドはなくても良かったかもと思いました。
所要時間に混雑状況

写真撮影は写真撮影不可マークの付いている作品以外は撮影可能です。
撮影不可作品のほとんどは映像作品でした。
なお、動画撮影は禁止となっています。
私はお昼前に会場に着きましたが、会場内はかなり混んでいました。

映像作品は人が多くて展示室に入りにくいという場所もありました。
所要時間はだいたい2時間。作品数はおおよそ100点もあり、映像作品も多いため、ちゃんと全部見るなら3時間以上は必要です。早い人なら1時間くらいではないでしょうか。
展覧会の内容
本展は序章を含めると7章で構成されています。
テーマに合わせた作品が紹介されており、とても見やすかった印象です。
ここからは章ごとに写真中心に展覧会の様子をご紹介していきます。
序章 フランシス・ベーコンからブリットポップへ

はじめに登場するのはフランシス・ベーコンの≪1944年のトリプティク(三幅対)の第2ヴァージョン≫。
さまざまなアーティストに影響を与えた巨匠。この叫ぶ生き物のイメージは、当時の不穏な空気を象徴しています。
第1章 ブロークン・イングリッシュ ― ニュージェネレーションの登場

この章では、1980年代後半に現れた「自分たちで場所を見つけ、自分たちを売り出す」という起業家精神溢れる若手作家たちを紹介しています。


不況で空いたロンドンの倉庫を自分たちで展示会場(フリーズ展など)に変えたのがYBAの始まりです。



ダミアン・ハーストの初期代表作《後天的な回避不能》や、奴隷貿易や植民地支配の歴史に切り込むルベイナ・ヒミドなど、社会の「痛み」や「不都合な真実」を直視する作品が並びます。


第1章最後にハンズワースの歌という61分の映像作品があります。
曜日によって上映時間が決まっていますので初めから観たい方はこのスケジュールを参照してください。

第2章 おおぐま座 ― 都市のイメージをつなぐ

当たり前に信じている「地図」や「制度」といった社会のシステムを、アーティストが独自の視点で組み替えた章です。




サッチャー政権下での公営住宅の払い下げや再開発といった、激変するロンドンの都市風景が影を落としています。




地下鉄路線図の駅名を有名人に置き換えたサイモン・パターソンの《おおぐま座》。

そして、再開発で消えゆく団地の「空隙」を記録したレイチェル・ホワイトリードの静かな表現は、現代の都市問題にも通じます。

第3章 あの瞬間を共有する ― 音楽、サブカルチャー、ファッション

90年代のロンドンは、アート・音楽・ファッションが密接にリンクしていました。その「熱狂」を肌で感じる章です。

SNSがない時代、アーティストたちはバーやクラブに集まり、直接刺激を与え合っていました。
ジュリアン・オピーのポップな肖像画。

労働者文化に根ざした音楽の変遷を図解したジェレミー・デラー。

ヴォルフガング・ティルマンスが捉えたケイト・モスの写真は、当時の空気感をそのまま真空パックしたような生々しさがあります。

第4章 現代医学

「死」や「病」という重いテーマに対し、アーティストたちがどう向き合い、抗ったかを提示します。





1980年代からの「エイズ危機」と、それに伴う感染者・同性愛者への偏見が深刻な社会問題となっていました。



映画監督としても知られるデレク・ジャーマンの作品。病で視力を失いながらも指で描き、皮肉とユーモアを込めたタイトルを刻んだ彼の絵画は、差別への強い抵抗を感じさせます。

4章はじめは休憩室に立ち寄れるようになっております。
休憩室では6本の資料映像を見ることができます。

どれも5分前後で意外とサクッと見れておすすめです。

第5章 家という個人的空間

「家」という一見安全な場所が、実はジェンダーや社会的なルールに縛られた場所であることを暴き出す章です。



家父長制や性別による役割分担への批判が、個人的な視点から描かれます。



台所用品に電流を流し、日常を不穏な空間に変えたモナ・ハトゥム。

物置小屋を軍に爆破させ、その残骸を空中に静止させたようなコーネリア・パーカーの巨大なインスタレーションは、本展のハイライトの一つです。

第6章 なんでもないものから何かが生まれる ― 身近にあるもの

最後は、レシートや自転車といった「ありふれた日常品」に新しい価値を見出す作家たちに焦点を当てます。


高価な素材ではなく、安価で身近なものを素材とした点も、当時のアーティストたちのリアリティでした。



トレイシー・エミンの私的な思い出が刻まれた椅子。

自転車を1.35倍に拡大して違和感を抱かせるエリザベス・ライト。

単なるレシートを作品として提示するシール・フロイヤーなど、「何がアートを決めるのか?」という現代アートの醍醐味を味わえます。

特設のグッズショップも注目

展示の最後には、本展限定の特設ショップが待っています。

90年代の雑誌のような、エッジの効いたデザインが秀逸な公式図録。


紹介されていた作品のポストカードやポスター、そしてアパレルといった定番アイテムが充実。


普段使いできるお洒落なデザインのUMBROとのコラボグッズなんかもありました。

個人的にはオピーのグッズがとても魅力的でした。
展覧会の感想
「死」「社会への反抗」「個人的な痛み」。
YBAたちが放ったエネルギーは、時代を超えて今を生きる私たちの心も激しく揺さぶります。ただの「お洒落なアート展」で終わらない、濃密な歴史の目撃者になれる展覧会です。
ということで「テート美術館展 ― YBA & BEYOND」の超個人的なオススメ度は…。
★★★★☆
あくまで私個人の感想ですが、参考にしていただければ幸いです。
これからも少しずつアートやファッション関係の記事を書いています。
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