2024年11月24日に開業した麻布台ヒルズ。街全体がミュージアムをテーマとする麻布台ヒルズの文化発信の拠点として設けられたのが「麻布台ヒルズギャラリー」です。
その開館記念展として「オラファー・エリアソン展:相互に繋がりあう瞬間が協和する周期」が開催中。
世界的に活躍するアーティストですが、東京都現代美術館での個展も記憶に新しく、今年でいえば国立新美術館で開催したテート美術館展の大型インスタレーションや、今年の「高松宮殿下記念世界文化賞」を受賞するなど、その名前や作品に触れる機会の多く、IKEAやルイス・ポールセンなどのインテリアブランドとコラボレーションした照明なども販売されていたりと、個人的にはかなり好きなアーティストの1人です。
麻布台ヒルズギャラリーの最初の展覧会ぎオラファー・エリアソンの個展と聞いてすぐにチケットを購入して、その開幕を楽しみに待っていました。
また、麻布台ヒルズにはヘザウィック・スタジオが設計した建物や、麻布台ヒルズギャラリー以外にもギャラリーがあったり、奈良美智などのパブリックアートが設置されています。
アート鑑賞が趣味な私は開業前から楽しみにしていましたが、先週ついにオープン。早速行ってきました。
本記事は「オラファー・エリアソン展:相互に繋がりあう瞬間が協和する周期」について、チケットやアクセスなどの概要、混雑状況、所要時間、グッズ、そして感想などをまとめたものとなります。
後半には麻布台ヒルズに展示されているパブリックアートについてもちょっとだけ書いています。
これから行こうと思っている方の参考になれば幸いです。
展覧会の概要
会期 | 2023年11月24日(金)〜2024年3月31日(日) |
開館時間 | 10:00〜19:00 火曜日は17:00まで 金、土、祝日、祝日の前日は20:00まで |
休館日 | 2024年1月1日(月) |
会場 | 麻布台ヒルズギャラリー |
住所 | 〒105-0001 東京都港区虎ノ門5−8−1 麻布台ヒルズ ガーデンプラザA MB階 |
麻布台ヒルズギャラリーは低層階の建物「ガーデンプラザA」MB階にあります。
地上からヘザウィック・スタジオがデザインした特徴的な建築を見ながら行くのも良いですし、地下鉄神谷町から地下で直結(徒歩約3分)しているのでアクセスもかなりしやすいです。
入場料・チケット
本展は日時指定券を導入しています。チケットの購入は専用オンラインサイトから1時間ずつに分かれた枠の中から希望の日時を選択して、購入します。
購入後はQRコードが発行されるので、そのQRコードを受付で提示して入場します。
入館料は以下になります。
一般 | 1,800円 |
学生(高校・専門・大学生) | 1,200円 |
子ども(4歳〜中学生) | 900円 |
もし先の日程でよければ<終わりなき研究>体験付きチケットがおすすめ。それぞれの料金に+1,000円のチケット料金で展示作品の1つである<終わりなき研究>を実際に操作、体験できます。完成したドローイングを持って帰れるというものです。体験時間は20分程度。A3サイズで展覧会ロゴ・作品ナンバー付き。
ちなみに1月の枠は全て埋まり、2月も土日はほぼ埋まってしまっているので、興味があれば早めに予約した方が良さそうです。
そのほかにローソンチケット限定でペアチケット(3,200円)も販売されています。
ちなみに日時指定していなくても当日空きがあれば窓口でチケットを購入できるようです。ただし各チケット料金+200円かかります。
混雑状況に所要時間
展覧会は写真撮影可能です。動画撮影も可能でした。
私はオープン最初の週末の14時に行きました。日時指定制ですが、結構人は入っています。でもスペースに対して作品数が少ないのでそこまで混雑している感じはしませんでした。
全作品を鑑賞するまでにかかった時間はだいたい1時間くらい。早い人は30分くらいでサクッと見れてしまうと思います。
ちなみにロッカーやトイレはギャラリー内には無いので、必要な方は入場する前に済ませてしまいましょう。
展覧会の様子
それでは写真を中心に展示されている作品を紹介していきます。ちなみに紙の作品リストなどは特にないのですが、会場には作品解説の書かれたサイトにリンクするQRコードがあります。
最初に展示されている作品がこちらの<蛍の生物圏(マグマの流星)。
天井から小さなオレンジ色に光る多面体がぶら下がっています。同心円状に配置された3つの多面体は、小さいものが他の多面体の中に入り込んで、幾何学的な形、影、色の精巧な配列を作り出し、それらが周囲の壁に投影されています。
ゆっくりと移り変わる光の景色はずっと見ていられます。オラファー・エリアソンの作品は時間を忘れて見ていられますよね。
ちなみにこの展示室にはベンチがあるのでゆっくりと作品を鑑賞できます。
次の展示室には体験付きチケットがあれば実際に操作してドローイングが作れる<終わりなき研究>があります。
ハーモノグラフという振り子を用いて幾何学像を生成する機械に紙をセットすると、その回転運動によってペンが円運動のリズムを記録していきます。
円運動で幾何学像が徐々に出来上がっていく様子を見ているだけでもかなり楽しいです。
周りの壁面にはこのハーモノグラフを使って作られたドローイングがたくさん並べられています。
この円形のドローイング群は、ドーハ近郊の砂漠に設置されたドローイング・マシーンによって制作されたもの。
作品名も<太陽のドローイング>や<風の記述>となっていますが、太陽光とガラス球を使って、絶えず回転している紙の上に模様を焼き付けてけたものや、風で動く振り子によって描かれています。
回転するスチール製の二重螺旋の作品<ダブル・スパイラル>。
天井から垂直に吊るされており、緩やかに回転。2つの波が交差して見える錯覚を生み出し、ひとつは上昇し、もうひとつは下降しているように見えます。
上部にファンがつけられたこちらの作品は<呼吸のための空気>。
実験的な手法によって鉱山から回収された亜鉛廃棄物というリサイクル素材を使用しています。
麻布台ヒルズで一番高いビル、麻布台ヒルズ森JPタワーに展示されているパブリック・アート<相互に繋がりあう瞬間が協和する周期>も、同じモジュールとリサイクル素材が使われており、オラファー・エリアソン自身がリサイクル素材に特化して制作した初めての作品だそうです。
一番奥の壁面には水彩画の作品が4点展示されています。
太古の氷河の氷の破片を使って制作されたそうです。
表面に直接氷片を置き、溶けると同時に顔料を流動させ、抽象的で有機的なにじみを生み出しています。
次の展示室には大型インスタレーション<瞬間の家>。個人的にこの展覧会の中で一番注目していた作品です。
真っ暗な広い空間にストロボの光が瞬間的に照らされ、水の動きがそのストロボの光で照らし出されます。
正面からみると1本の水の線が続いているように見えるのですが、横からみると3ヶ所に分かれてるんですよね。
色々な角度で見るのも面白く、さまざまな思考を巡らすことを促してくれます。
<瞬間の家>の空間を抜けると、オラファー・エリアソンと森美術館館長との対談映像が流されています。
展覧会ブックレットの紹介もされています。ブックレットは次に紹介する1フロア下のショップで購入が可能。
展示は以上で終了となります。
麻布台ヒルズギャラリーショップとカフェにも注目
ギャラリーのある階から1フロア下がると、麻布台ヒルズギャラリーショップとカフェがあります。
ショップ「THE SHOP」では、Tシャツやフーディー
トートバッグ、書籍にポストカード、
ポスターなど、オラファー・エリアソン関連のグッズがたくさん売っています。
そのほかにも和三盆のお菓子や、
展示されていた構造体の一部のような彫刻など面白いグッズもありました。
ちなみに麻布台ヒルズの低層を設計したヘザウィックスタジオのグッズも売っていました。
カフェ「THE KITCHEN」ではベルリンのオラファー・エリアソンのアトリエ内に構える、スタジオ・オラファー・エリアソン・キッチンとのコラボレーションメニューが楽しめます。
せっかくなのでケーキセット(1,650円)を注文。レッドビーツのチョコレートケーキとドライチェリーに、静岡県産有機和紅茶のセット。
カフェにもショップにもオラファー・エリアソンがデザインしたルイス・ポールセンの照明が使われていました。青山のルイス・ポールセンでも見ましたが、ここでも存在感抜群ですね。
麻布台ヒルズ内にある作品
前述しましたが、麻布台ヒルズの麻布台ヒルズ森JPタワーのオフィスロビー内もオラファー・エリアソンの作品があります。
吹き抜けの空間に吊るされた巨大な4つの彫刻作品。ギャラリーに展示されている<呼吸のための空気>と同じリサイクル亜鉛とモジュールを使用しています。
麻布台ヒルズはそのほかにもパブリックアートが展示されています。
奈良美智<東京の森の子>
曽根裕<石器時代最後の夜>
ジャン・ワン<Artificial Rock No.109>
また、麻布台ギャラリーの近くには「ギャラリー&レストラン 舞台裏」と「集英社マンガアートヘリテージ」など無料で入場できるギャラリースペースもあります。
舞台裏には加藤泉の巨大な彫刻作品があります。ここのレストランも美味しそうでした。
集英社マンガアートヘリテージでは金属板に活字を埋め込んだ版でプリントした作品を中心に展示。
オープニングにはワンピースの作品が並んでいて、こちらも大盛況でした。
もちろんヘザウィック・スタジオ設計の美しい建築を見るのも楽しいですし、コンランショップなど面白いインテリアショップなども入っていて散策しているだけでも楽しいです。
来年以降は「チームラボボーダレス」や「ベース・ギャラリー」などのアートスポットがさらに増えるのでこれから定期的に足を運ぶことになりそうです。
展覧会の感想
オラファー・エリアソンの大掛かりなインスタレーションが見れ、体験参加チケットを購入すれば自分の作品も作れてしまう貴重な展覧会。
展示作品数に対して入場料はちょっと高いかなと思うかもしれませんが、麻布台ヒルズ内の他のギャラリーやパブリックアートも一緒に楽しめると思えばそんなに気になりませんでした。
ということで、「オラファー・エリアソン展:相互に繋がりあう瞬間が協和する周期」の超個人的なオススメ度は…。
★★★☆☆
あくまで私個人の感想ですが、参考にしていただければ幸いです。
これからも少しずつアートやファッション関係の記事を書いています。
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