写真家という枠を超え、映画、デザイン、ファッションなど多彩な活動をしている蜷川実花さんの展覧会「瞬く光の庭」が東京都庭園美術館で開催中です。
本展は東京都庭園美術館を会場に、蜷川さんが2021年から2022年にかけて日本国内撮影した、最新の植物の写真と映像作品が展示されています。
重要文化財にも指定されている庭園美術館の本館。アール・デコ様式の装飾に「蜷川実花新章」と本人も話していた新境地の作品がどうコラボレーションするのか非常に気になったので早速行ってきました。
本記事は「瞬く光の庭」に実際行ってみて、どのような展示内容だったのか、混雑状況や所要時間、グッズに全体的な感想をまとめたものになります。
展覧会は9月4日(日)までの開催なので、これから行こうか気になっている方の参考になればうれしいです。
蜷川実花(にながわみか)さんについて
写真家として木村伊兵衛写真賞ほか数々受賞。
映像作品も多く手がけており、最新監督作「ホリックxxxHOLiC」が今年4月に公開されたほか、Netflixオリジナルドラマ「FOLLOWERS」が世界190ヶ国で配信中です。
2018年から2021年に全国の美術館を巡回した個展「蜷川実花展ー虚構と現実の間にー」は各地で好評を博し、のべ約34万人を動員しました。
昨年上野で開催した「蜷川実花展ー虚構と現実の間にー」の記事もあります。回顧展のような展覧会だったのでこれまでの蜷川さんの活動を振り返るのにおすすめです。
開催概要・チケットについて
「瞬く光の庭」開催概要
展覧会名 | 蜷川実花「瞬く光の庭」 |
会期 | 2022年6月25日(土)〜9月4日(日) |
休館日 | 毎週月曜日 ※ただし7月18日(月・祝)は開館、7月19日(火)は休館 |
開館時間 | 10:00〜18:00 (入館は閉館の30分前まで) |
会場 | 東京都庭園美術館(本館+新館) |
住所 | 〒108-0071 東京都港区白金台5丁目21−9 |
「瞬く光の庭」チケットについて
本展はオンラインによる日時指定制となっています。
当日券の販売もしているようですが、混雑状況により希望の時間に入場できなかったり、入場自体できない可能性もあるため、事前にオンラインで予約することを強くおすすめします。
チケット価格(観覧料)については以下になります。
一般 | 1400円 |
大学生(専修・各種専門学校含む) | 1120円 |
中学生・高校生 | 700円 |
65歳以上 | 700円 |
小学生以下 | 無料 |
ちなみに本展覧会には音声ガイドはありません。
展覧会の内容
この展覧会ではコロナ禍の日本国内各地で2021年から2022年にかけて撮影された、最新の植物の写真と映像作品が展示されています。
2018年から2021年にかけて国内10か所を巡回した「蜷川実花展-虚構と現実の間に-」は、コロナ禍までを含む蜷川さんのキャリアを振り返る回顧展のようなものだったということもあり、この展覧会では「蜷川実花新章」となる新境地に達した蜷川さん最新の作品と、庭園美術館ならではの建築空間との競演が楽しめます。
一部写真撮影可能
会場内は撮影可能なエリアと不可のエリアが半々くらい。どの展示室が撮影可能なのかは展覧会ガイドに書かれていますが、撮影禁止のエリアには撮影禁止と書かれていないので注意が必要です。
混雑状況や所要時間は
私は日曜日の一番早い時間帯である10:00〜11:00のチケットを購入し、10:00頃に庭園美術館に到着しました。
朝一番の回ということもあったせいか、入り口すぐの玄関では少し並ぶ列ができていました。
玄関で並びながら見える第一応接室にはネオンの光る作品が見え、これから見えるそのほかの作品に対する期待が高まっていきます。
受付を通って最初に入る大広間には結構人がいましたが、作品を鑑賞するのにはあまり気にならないくらいの混み具合です。
写真が撮れるエリアは他の鑑賞者が入らないように撮るのはちょっと大変でした。
写真と撮りながらゆっくり作品を鑑賞し、新館のギャラリー2で展示されている蜷川さんのインタビュー映像も一通り見て、だいたい所要時間は1時間ちょっとでした。
蜷川さんのインタビュー映像はこの展覧会、作品に対する思いなどを語っているので個人的には必見だと思います。
ちなみに新館から本館に引き返してきた11時過ぎには大広間には人があまりいなくて鑑賞しやすそうでしたし、玄関では並びもできていませんでした。
展示されている作品について
それでは具体的に展示されている作品について、会場の写真と一緒にご紹介していきます。
ネタバレしたくない人はすっ飛ばしてください。
撮影可能な大広間から。
タイトルにもあるように「光」が一つのテーマとなっているようです。
展示されている作品は蜷川さんが今、強く惹かれているという光に溢れた「光彩色(こうさいしょく)」で彩られています。
小客室(撮影不可エリア)→大客室へ移動。
窓枠に合わせて作品が設置されているようです。
窓に設置せれることで、外からの光が写真に映っている光のようにも見えます。
艶やかな表面なので発色は良いのですが、この時間はちょっと反射しちゃって見にくいと思うことも。
引きの写真が無いので伝わりにくいですが、アール・デコ様式との装飾ととても合っています。
円形を描く張り出し窓が開放的な空間を形作る大食堂へ。
後に見ることができるインタビュー映像で蜷川さんが話しているのですが、撮影されている植物の多くは、あるがままの自然の中にあるものではなく、庭園や公園など人の意思の中で育まれた花や木々だそうです。
人の暮らしに豊かさを与えるパートナーとして手を加えられ、人々に寄り添って咲く花に呼吸を合わせながら、その時々に感じる情感を重ねてシャッターを切っていたそうです。
喫煙室(撮影不可エリア)を通って、2階へ。
2階は階段を上がってきてすぐの広間、ベランダ、北の間以外は撮影禁止エリア。
ベランダまで各部屋を見て回ります。
最初は気付かなかったのですが、蜷川さんが季節をめぐる中で花や木々との出会いを、美術館の空間と重ねて展示を行なっているようです。
冬の終わりに咲き始める梅から始まり、河津桜、ソメイヨシノ、ネモフィラなど、広間や通路を抜けて部屋から部屋をめぐりことで、移りゆく季節の体感につながっています。
ベランダは窓一面が作品に。
外の光を通して、とても幻想的な空間になっています。
北の間ではディスプレイに草花の写真がスライドショーのように流れています。
今回展示されている写真の中には、東京都庭園美術館の庭園で撮り下ろした作品も含まれています。
花や植物を見つめる蜷川さんの目を追体験したあとに、実際に庭園を散策してみるのもおすすめです。
再び1階に戻り、新館へ。
新館のギャラリー1ではダイナミックな映像インスタレーション「胡蝶のめぐる季節」が展示されています。
まるで胡蝶の夢を見ているかのような、蝶に誘われながら四季の花々をめぐる映像体験ができる作品です。
鑑賞者の展示空間に入り込むことで作品が完成します。
幻想的に見える映像のほとんどは加工がされていない現実のもので、多くの花々は日常の中で撮影されたものです。
蝶は夢と現実の間をつなぐ象徴である一方で、多様な未来の可能性の象徴。
普遍的にある世界の美しさ、その先にある未来を見つめているのかもしれません。
同じく新館にあるギャラリー2には、蜷川さんのインタビュー映像を見ることができます。
この1年で日本国内さまざまな場所で4万枚もの写真を撮ってきたことや、「現在と未来」というこれまでとことなるアプローチから撮影されていることなどを話されており、インタビューを全て聞いたあとにもう一回初めから展示作品を見て回りたくなりました。
ミュージアムショップにはグッズも販売
新館にあるミュージアムショップ「リュミエール」には蜷川実花さんのグッズも販売されていました。
今までの作品集やポストカード、ステッカーなど蜷川さんらしい色彩豊かなグッズが並んでおりました。
蜷川実花「瞬く光の庭」に行った感想
蜷川実花さんの作品が、庭園美術館の建築空間にどのように展示されるのかとても楽しみだった展覧会。
アール・デコ様式で装飾された建築と見事にコラボレーションした、幻想的な光に溢れた光彩色の世界。そして、ダイナミックな映像インスタレーションなど蜷川さんの新しい一面を見れてよかったです。
ということで、蜷川実花「瞬く光の庭」の超個人的なオススメ度は…。
★★★☆☆
あくまで私個人の感想ですが、参考にしていただければ幸いです。
これからも少しずつアートやファッション関係の記事を書いています。
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