清澄白河にある東京都現代美術館(MOT)で、今もっとも注目されている展覧会「ソル・ルウィット オープン・ストラクチャー」に行ってきました。
本展は、ミニマル・アートやコンセプチュアル・アートの先駆者として知られるソル・ルウィット(Sol LeWitt, 1928-2007)の、日本の公立美術館では初となる大規模個展です。
「白いグリッドが並ぶおしゃれな空間」というビジュアルの美しさはもちろんですが、「なぜ今、ルウィットなのか?」という背景を知ると、鑑賞体験が何倍も面白くなります。
今回は、展示の見どころから、知っておくと通ぶれるキュレーターの視点、混雑状況やグッズ情報などまとめています。
これから行こうと検討している方の参考になれば幸いです。
展覧会の概要
| 展覧会名 | ソル・ルウィット オープン・ストラクチャー |
| 会場 | 東京都現代美術館 |
| 会期 | 2025年12月25日(木)〜2026年4月2日(木) |
| 休館日 | 月曜日(祝日の場合は翌日) |
| 開館時間 | 10:00〜18:00(展示室入場は閉館の30分前まで) |
MOT開館30周年としての「原点回帰」
実は、東京都現代美術館にとってルウィットは特別な存在です。
1995年の開館記念展「レボリューション/美術の60年代」でも彼のウォール・ドローイングが展示されていました。
あれから約30年。美術館の開館30周年という節目の年に、再びルウィットの「構造(ストラクチャー)」に向き合う。そんな歴史的な文脈を含んだ展覧会なのです。
巨匠を「称えない」展覧会?
担当キュレーターの楠本愛氏によると、本展の狙いは「巨匠をただ称賛すること」ではないそう。
「オープン・ストラクチャー」というタイトルの通り、彼のシステムにある「不完全さ」や「隙間」に注目し、現代的な視点で再解釈しようという挑戦的なテーマが掲げられています。
チケット・施設・撮影情報
チケットは事前予約がベター
チケットの価格は以下の通りです。
- 一般:1,600円
- 大学生・専門学校生・65歳以上:1,100円
- 中高生:640円
- 小学生以下:無料
私は東京都現代美術館の年間パスポートがあるのでチケットの購入はしておりませんが、当日券売り場には少しだけ列ができていました。
スムーズに入場するならWebで事前に購入するのをおすすめします。
荷物は預けて身軽に
展示空間はかなり広いです。また展示部にに不意に触れないためにもエントランス付近に100円返却式のコインロッカーがあるので、コートや大きな荷物は預けて、手ぶらで鑑賞するのがおすすめです。
写真撮影について
嬉しいことに、ほとんどのエリアで写真撮影OKでした(動画はNGです)。
幾何学的な作品はどこを切り取っても絵になります。
所要時間や混雑状況

私は日曜の午前中に行きました。
展示室が広いので他の鑑賞者が多少いても気にならず自分のペースで作品鑑賞できました。
私の場合の所要時間ですが、写真を撮ったり解説を読んだりしながら回って、だいたい1時間ほどかかりました。
さらっと見るだけであれば30分くらいで済むかもしれません。
じっくり派の方は時間に余裕を持って行くことをおすすめします。
会場の様子:ルールがあるから面白い?
ここからは、実際に歩いてみて印象に残った作品をいくつか紹介します。
不完全だから美しい?「白い枠組み」

会場に入ってすぐ目に入るのが、こちらの《不完全な開かれた立方体》という作品です。
見る角度によって形が変わって見えるのも面白くて、つい周りをぐるぐる歩いてしまいました。

巨大な壁画の迫力

今回のメインとも言えるのが、壁に直接描かれた「ウォール・ドローイング」です。

美術館の大きな壁一面に、鮮やかな色の線や、細かいモノクロの線がびっしりと描かれています。

実はこれ、ルウィット本人が描いたものではないそうです。

彼が残したのは「指示書(インストラクション)」だけ。

「赤、黄、青の線を使う」「線と線の間隔は何センチ」といった指示に従って、今回集まった職人さんや美術学生さんたちが、長い時間をかけて手作業で描いたものなのだとか。

「アイデア(指示書)があれば、誰でも同じ作品が作れる」


というのが彼のコンセプトらしいのですが、近くで見ると、線を引いた人の息遣いというか、手作業ならではの「揺らぎ」が見えて、デジタルプリントにはない温かみを感じました。


遠くから見ると完璧な幾何学模様、近くで見ると人間味あふれる手仕事。このギャップが個人的にはすごく好きでした。

立体作品もユニーク

壁画の他にも、白いブロックを積み上げたような塔などがありました。

これも適当に積んでいるわけではなく、あるルールに従って増殖しているそうで、なんだか生き物みたいにも見えてきます。

壁一面に広がるカラーのドローイング

1980年以降は作品の視覚的要素が大きく変化し、複雑な形態や豊かな色合いが見られるようになったそうです。

青、赤、黄という三原色とグレーという基本的な色のインクを複数回塗り重ねてこの多彩な色合いを生み出しているそう。

次の展示室は撮影禁止となります。
晩年まで作品として制作していったアーティスト・ブックや書籍などが紹介されています。
また展示の最後には最初の展示室にあった《不完全な開かれた立方体》で締めくくられております。
ミュージアムショップのグッズも魅力的

展示を見終わった後のミュージアムショップも要チェックです。
ルウィットのデザインはシンプルで幾何学的なので、グッズになってもすごくおしゃれ。
図録は予約販売中。そのほかにもソル・ルウィットの書籍などが並んでいます。

個人的にはヴィンテージのポスターがとてもかっこよくて、購入するか本当に悩みました。
個人的な感想まとめ

正直、行く前は「ただ四角や線が並んでいるだけで、飽きちゃうかな?」と少し心配でした。
でも実際は、そのシンプルさゆえに、頭の中がスッキリ整理されるような、不思議な清々しさがありました。
今の時代、AIに「指示(プロンプト)」を出して絵を描かせることも増えていますが、ルウィットは何十年も前から「指示書でアートを作る」ということをやっていたんですね。
「指示は完璧でも、実行するのは人間だからこそ生まれる面白さ」みたいなものを肌で感じられた気がします。
難しい理屈は抜きにして、広々とした空間で美しい構造物を眺めるだけでも、十分リフレッシュできる展覧会でした。
ということで、「」の超個人的なオススメ度は…。
★★★☆☆
2026年の4月までやっているそうなので、清澄白河散歩のついでにぜひ覗いてみてください。
これからも少しずつアートやファッション関係の記事を書いています。
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