森美術館で開催「藤本壮介の建築:原初・未来・森」に行った感想。チケットやアクセス、混雑状況に所要時間、グッズなど

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アート
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先日、東京・六本木ヒルズの森美術館で開催中の「藤本壮介の建築:原初・未来・森」展に行ってきました。

北海道出身の藤本壮介さんは、東京大学卒業後、2000年に自らの設計事務所を設立し、現在は東京・パリ・深圳に拠点を持つ世界的建築家です。

これまで個人住宅から大学・商業施設・ホテル・都市計画まで多彩なプロジェクトを手がけ、2010年の「武蔵野美術大学美術館・図書館」 、2013年の「サーペンタイン・ギャラリー・パビリオン」(ロンドン) 、2019年のフランス・モンペリエにある集合住宅《ラルブル・ブラン(白い樹)》 、2021年のハンガリー・ブダペストの音楽施設《ハンガリー音楽の家》 などで高い評価を得てきました。

最近では2025年大阪・関西万博の会場デザインプロデューサーも務める藤本さん。

本展は、約30年にわたる彼の歩みを8つの章に分けて紹介する、初の大規模な回顧展です。

この記事では「藤本壮介の建築:原初・未来・森」展について、アクセスやチケットなどの概要、展覧会の内容、所要時間や混雑状況、販売されているグッズ、そして個人的な感想をまとめています。

これから行こうと検討している方の参考になれば幸いです。

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展覧会の概要

森美術館で開催「藤本壮介の建築:原初・未来・森」に行った感想。チケットやアクセス、混雑状況に所要時間、グッズなど
タイトル藤本壮介の建築:原初・未来・森
会期2025年7月2日(水)〜11月9日(日)
休館日会期中無休
開館時間10:00~22:00(火・8月27日は〜17:00、9月23日は〜22:00)
※入館は閉館30分前まで
会場森美術館
住所東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53階

アクセスは六本木ヒルズ森タワー53階で、東京メトロ日比谷線ほか六本木駅から直結、車は近隣駐車場利用と、交通至便です。

チケットについて

森美術館で開催「藤本壮介の建築:原初・未来・森」に行った感想。チケットやアクセス、混雑状況に所要時間、グッズなど

チケットの価格は以下の通りです。

平日土日・祝日
一般2,300円2,500円
シニア(65歳以上)2,000円2,200円
学生(高校・大学生)1,400円1,500円
中学生以下無料無料

なお、混雑緩和のため事前予約制なので、公式サイトで日時指定券を購入しておくと安心です(当日券の発行も可) 。

もちろん当日窓口での購入も可能です。

また、本展覧会には音声ガイドも用意されています。

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ナビゲーターは声優の森川智之さん(『クレヨンしんちゃん』野原ひろし役などで有名)が務め、藤本壮介さん自身や建築史家などのコメントも収録されています。

音声ガイドはご自身のスマホを利用するタイプで、自分のスマホとイヤホンがあれば利用可能。

日本語・英語版があり、全14トラックで約35分の内容です。

料金は税込500円で、展覧会入口で借用できます。

音声ガイド付きチケットも販売されていますのでそちらもご利用ください。(チケット料金+500円)

藤本壮介さんについて

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藤本は1971年、北海道の豊かな自然の中に育ち、その体験から「森」や「開かれた空間」というモチーフを得意としています。

展覧会でも象徴的ですが、作品の中には屋上に庭を設けたり、外部と内部を曖昧につなげたりする工夫が多く見られます。

北海道での少年時代には、自然の中で森の生き物たちの“響き合い”を感じた体験が、建築の「多様性が共存する場づくり」という思想につながっているそうです。

藤本建築の特徴である3つの系譜――「ひらかれかこわれ」(閉じられた円環が外部へ開かれること)、「未分化」(空間が多義的に連続すること)、「たくさんのたくさん」(多数のパーツで一つの建築が成り立つこと)――は、幼少期の自然体験と人の関係性への洞察から生まれたともいわれています。

代表作として本展でも多く紹介されている《武蔵野美術大学美術館・図書館》は、台地の傾斜に沿って段状にフロアを重ね、壁や柱を外側にずらした特徴的な形状で、敷地全体が一つの大きな構造のように感じられる建築です。

ロンドンの《サーペンタイン・ギャラリー・パビリオン2013》は、白いコンクリート製の円錐状の格子屋根が印象的で、訪れる人々が中でゆったりくつろいだり、すり抜けたりできる、軽やかな公共空間となっていました。

フランス・モンペリエの集合住宅《ラルブル・ブラン》は、その名のとおり枝葉のようなバルコニーが巨大な白樹を思わせる外観で、住まいながらまるで森に包まれているかのような居心地を生んでいます。

また、群馬県・前橋市の「白井屋ホテル」は老舗旅館をリノベーションしたアートホテルで、白い外観と幾何学的な構造により、歴史的な街並みに新しい風景をもたらしています(※参考情報)。

そして注目の最新作、大阪・関西万博の《大屋根リング》は、全長約2kmにおよぶ世界最大級の木造円環屋根で、藤本さん自身が「分断を超えて人々をつなぐ希望のシンボル」と語るプロジェクトです 。

所要時間や混雑状況

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本展覧会は繊細な模型が多数展示されているのと、狭い箇所が多いせいか鞄などの、荷物の持ち込みは禁止となっております。

入場前にコインロッカー(100円返却式)に預ける必要があります。

私は土曜日のお昼過ぎに行きましたが、結構人は入っている印象。

しかし、鑑賞のストレスになるほどでもなく、快適に回れました。

会場は撮影可能。動画撮影は1分以内。一部写真撮影不可のものがありますが、ほとんどの作品は撮影できます。

所要時間は2時間程度。映像作品もいくつかあり、展示も多いのでしっかり見たいという人は3〜4時間は計算した方が良いと思います。

展覧会の内容

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本展は、藤本壮介さんの建築思想とその実践を、8つのセクションに分けて紹介しています。

ここからそれぞれのセクションの見どころをご紹介します。

思考の森

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会場に入るとまず目に飛び込んでくるのが、《思考の森》と名付けられた大型インスタレーションです。

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約300㎡の空間に、藤本さんが手がけた初期から計画中のものまで約100以上のプロジェクトが集約されており、総数約1,000~1,200点もの模型や断片で「森」のように埋め尽くされています。

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これらの模型は、藤本建築の根幹にある3つの系譜(「ひらかれかこわれ」「未分化」「たくさんのたくさん」)ごとに分類され、概ね年代順に配置されています。

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天井から吊り下げられた模型や、足下のテーブルにずらりと並ぶ小さな模型群が視界いっぱいに広がり、まさに巨大な“模型の森”に迷い込んだかのようなワクワク感がありました。

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私は頭上の高い位置に展示された海外プロジェクトの模型を見上げたり、足もとに低く吊るされた国内プロジェクトを踏みしめたりしながら、この森を歩き回りました。

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藤本さん自身も「模型の森」と表現するこの空間では、作品同士が縦横に響き合いながら建築全体の歴史や思想が体感できます。

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軌跡の森-年表

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次に進むと「軌跡の森」と名付けられた年表ゾーンがあります。

建築史家・倉方俊輔氏監修のもと、藤本さんが東京大学を卒業した1994年以降の活動が一望できる年表が展示されています。

彼が個人で活動を始め、2000年に設計事務所を立ち上げ、2010年から国際的な活動を広げていったキャリアの流れがわかります。

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全96点に及ぶ主要プロジェクトと、その年に竣工した国内外の建築や社会の出来事が照らし合わせて配置され、藤本さんの言葉や写真スライドショー、本人インタビュー映像も楽しめます。

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ここでは「自分は一人でこの道を歩み始めた」「異なる個性が共鳴し合うことを大切にしたい」といった藤本さんの言葉が年表とともに紹介され、改めてその独自なキャリアパスに感心しました。

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初期から現在までの歩みと建築の変遷をじっくり味わえるコーナーです。

あわいの図書室

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続く「あわいの図書室」は、一面ガラス窓に面したリラックス空間です。

ここではブックディレクター・幅允孝さんが藤本建築から着想を得て5つのテーマ(「森 自然と都市」「混沌と秩序」「大地の記憶」「重なり合う声」「未完の風景」)で選んだ40冊の書籍が、1冊ずつ木製の椅子に置かれています。

椅子の座面や背もたれには、本から抜粋された言葉が散りばめられており、訪れた人は本を手に取って自由に読書ができます。

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私はそばの椅子に腰掛け、外の都会の景色を眺めながらしばし読書タイム。

「本を読む」と「読まない」の間の状態――日本語で「あわい」と呼ばれる曖昧な隙間のような時間がここにはあって、窓の外に見える緑豊かな東京の風景と相まって、本の内容を“なんとなく”味わえるユニークな空間でした。

文字通り「森の中の読書室」のようで、頭をリセットしてから次のコーナーへ進めます。

ゆらめきの森

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「ゆらめきの森」のセクションでは、藤本建築のもう一つの特徴である「人と人の動き」に着目した展示が行われています。

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《エコール・ポリテクニーク・ラーニングセンター》(2023年フランス)や《T-house》(2005年群馬)といった5つのプロジェクトの模型が並び、それぞれの模型にプロジェクションマッピングでアニメーションが投影されていました。

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たとえば、室内に人々が集い談笑する様子、子どもたちが斜面を駆け回る光景などが模型上で再現され、建物そのものではなく「その中で人がつどう光景」が浮かび上がります。

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特に印象的だったのは、《T-house》の模型です。

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間仕切りのないこの住宅模型に、家族が一緒に過ごしながらも少し離れて互いを感じ合う日常が光で映し出され、建築がただの箱ではなく「人の暮らしによって生きる空間である」ことを実感しました。

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森川さんの音声ガイドでも「ここでは建物ではなくそこでの暮らしを想像してください」というナレーションがあり(実際の言葉ではありませんが)、この展示が藤本建築の多様性を具体的に伝えてくれます。

開かれた円環

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「開かれた円環」のセクションは、本展の大きなハイライトである2025年大阪・関西万博の《大屋根リング》に焦点を当てたゾーンです。

中央には高さ約4mの《大屋根リング》1/5スケール模型が配置され、模型内には白い人形が並べられていました。

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この模型は実際に内部に入って体験でき、湾曲する木の屋根と透ける光の感覚が五感に響きます。

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周囲には藤本さん自身のスケッチや構想段階の設計図面、日本の伝統的な接合技術「貫(ぬき)」の実物大モックアップなども展示されており、巨大なリングの設計プロセスを間近で学べます。

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展示空間には「人と人がひとつにつながる、新しい公共空間」という藤本さんの想いが漂っており、森川さんの音声ガイドでも「分断を超えて人々の活動が循環し続ける建築」といった語り口で全体のコンセプトが紹介されていました(詳細は割愛します)。

また、このコーナーでは《ハンガリー音楽の家》など、同じ「開かれた円環」の思想を持つ関連プロジェクトの模型も見ることができ、デザインの系譜が垣間見えます。

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巨大模型を間近に、自分も万博会場を訪れたような気分になれる貴重な体験でした。

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ぬいぐるみたちの森のざわめき

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次の「ぬいぐるみたちの森のざわめき」は、思わず笑顔になる楽しいコーナーです。

藤本さんが手がけた9つのプロジェクトのキャラクターを、擬人化したぬいぐるみたちがテーブルを囲んで座談会をしている様子が展示されています。

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例えば「白い樹くん」や「仙台コンサートホールちゃん」など性格や特徴を持ったぬいぐるみたちが、それぞれユーモラスな会話を交わします。

脇のスピーカーからは音声ガイドの藤本さん解説が流れ、まるで建築の擬人化キャラに声優さんが命を吹き込んでいるよう。

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私は隣の椅子に座ってじっくり耳を傾けました。「大屋根リングくん」(千里木の屋根をかぶったぬいぐるみ)が「万博まであと少しだね!」と元気に語りかけたりして、建築の特徴や設計秘話が楽しく学べます。

子ども連れでも人気のコーナーで、この予想外のアプローチは藤本さんの来場者を楽しませたいという意欲が感じられました  。

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たくさんの ひとつの 森

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「たくさんの ひとつの 森」では、今後竣工予定の仙台の音楽ホール兼震災メモリアル施設《国際センター駅北地区複合施設(仮称)》がテーマです。

中央に吊り下げられた巨大な15分の1構造模型は、この建物の柱やフレームをリアルに再現していて、私は見上げながらそのダイナミックな迫力に驚きました。

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そばには「ばらばらでひとつ」「たくさんの/ひとつの響き」といったキーワードで示された設計過程の模型や図面が並び、複雑な構造の背後にある藤本さんのコンセプトが理解できます。

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また、70点以上の主要プロジェクトのコンセプトドローイングも展示されており、個々のプロジェクトが「バラバラな多様性でありながら全体でひとつの響きを奏でる」という共通理念でつながっている様子が伝わります。

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ここでは実際に自分の身体を模型の下に入れて構造を見上げたり、平面図を覗き込んだりして、建築の構造体験を味わえたのが面白かったです。

未来の森 原初の森―共鳴都市 2025

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最後のコーナーは「未来の森 原初の森―共鳴都市 2025」と題され、藤本さんとデータサイエンティスト・宮田裕章教授による未来都市模型が展示されています。

大小様々な球体が組み合わさった立体模型が天井から吊られ、全体で高さ約50mの都市を想定しています。

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各球体は住宅や学校、オフィスなどの役割を持ち、多方向に開かれた無中心の構造になっています。私は模型の周りをぐるぐる回りながら、「無数の個が共鳴し合って新たなコミュニティをつくる」というコンセプトを実感しました。

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展示パネルには、この都市ではもはや明確な中心はなく、ユーザーが自由に移動して自らコミュニティを編むことが想定されていると書かれていました。

まさに、藤本さんの「森」概念を拡張した未来像で、展覧会の最後にふさわしい、想像力を刺激する空間でした。

グッズショップで販売されているグッズにも注目

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展覧会の出口近くにはオリジナルグッズショップがあり、建築好きにはたまらないユニークなアイテムが揃っています。

展示会カタログをはじめ、藤本さんの書籍が多数並んでいます。

サコッシュは千年続く和紙の技術とリサイクル繊維を組み合わせ、藤本さん監修で作られた一品。手作り感あふれるプリーツ加工が施されており、同じものは二度と作れない一点物です 。

2010年竣工の《東京アパートメント》をモチーフにした立体ペーパークラフト。

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北海道の森と動物たちに囲まれた風景の中に、藤本建築のアイコンが散りばめられた大判ハンカチ。

藤本さんの名建築をモチーフにしたポストカードセット。

転がりにくく持ちやすい三角形の木製鉛筆には、藤本さんのスケッチや名言がプリントされています。

建築図面に欠かせないスケール定規。3色展開でデスクに並べても映えそうです。

藤本さんの一貫する「開かれた円環」コンセプトを、京うちわの職人さんが伝統技法で表現した豪華版うちわ。

展覧会オリジナルのガラスペンのセット。

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前橋の「白井屋ホテル」にちなむ限定クッキー缶は残念ながら完売してました。

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以上すべて展覧会オリジナルアイテムで、建築への愛が詰まったセンスの良い品々でした。

展覧会の感想

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総じて、この個展は「建築を見て終わり」ではなく、「建築を体験する場」として徹底的に演出されていました。

実際の模型や映像はもちろん、音声ガイドやぬいぐるみ、書棚など五感を使う仕掛けが随所にあり、藤本建築の思想や人間性が肌で感じられるようになっています。

私自身、展示を見て回りながら「こんな風に建築が街に根付いたら素敵だな」とワクワクしっぱなしでした。

特に「思考の森」で模型に囲まれた時、「自分も藤本さんのアイデアの一部になって歩いている!」と錯覚し、隅々までじっくり見て回りました。

展覧会全体を通じて、建築は壁や屋根だけでなく、人と人、人と自然が響き合う「場」であることを体感できます。

建築展というと難しそうに思われがちですが、こぢんまりした美術館の空間を使ってこんなに遊び心いっぱいに見せてくれる展覧会は珍しいと思います。

遠景から細部までじっくり眺めても2時間以上はかかるボリュームなので、時間に余裕をもって訪れるのがおすすめです。

今年はこれから暑い日が続きますが、都会の真ん中で涼しい館内を巡りながら藤本建築の新境地に出会える貴重な機会です。

建築好きはもちろん、インテリアや都市デザイン、単に新しい体験を求める人にもきっと楽しんでもらえるはず。

ぜひ足を運んで、原初から未来まで広がる「藤本壮介ワールド」をご自身で体感してみてくださいね! 

ということで、「藤本壮介の建築:原初・未来・森」展の超個人的なオススメ度は…。

★★★★☆

あくまで私個人の感想ですが、参考にしていただければ幸いです。

これからも少しずつアートやファッション関係の記事を書いています。

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