六本木の森美術館で「マシン・ラブ:ビデオゲーム、AIと現代アート」が開催中。
新しいコンピューターの技術やAI(人工知能)を使うことで、私たちの生活は大きく変わっています。
コロナのとき、家にいる人が増えたため、インターネットの中で遊んだり学んだりすることがもっと増えました。
昔からコンピューターを使ったアートはありましたが、今はゲームやAIが新しいアートを作る力になっています。
この展覧会では、ゲームの仕組みやAI、VR(バーチャルリアリティ)などを使った、約50点の現代アート作品が展示されています。
これらの作品は、コンピューターのデータを使って新しい美しさを見せたり、性別や国の違いにとらわれないキャラクターや、夢のような景色を表現したりしています。
また、命や環境、歴史など大切なことも考えさせられます。
機械と人が一緒に作った作品や、実際に体験できる展示は、見る人に「好き!」や「ドキドキ」、「ちょっと怖い」など、いろいろな気持ちを呼び起こします。
この展覧会は、現実と仮想の世界が混ざった新しいアートを通して、みんなで未来について考えるきっかけになるでしょう。
本記事では森美術館で開催中の展覧会「マシン・ラブ:ビデオゲーム、AIと現代アート」について、アクセスやチケットなどの概要と、実際の展覧会の様子、所要時間や混雑状況、販売されているグッズ、そして個人的な感想などをまとめています。
展覧会の概要

会期 | 2025年2月13日(木)〜6月8日(日) |
休館日 | 会期中無休 |
開館時間 | 10:00〜22:00 ※火曜日のみ17:00まで ※ただし2025.4.29(火)、5.6(火)は22:00まで ※最終入館は閉館時間の30分前まで |
会場 | 森美術館 |
住所 | 〒106-6150 東京都港区六本木6丁目10−1 六本木ヒルズ森タワー 53階 |
チケットについて

チケットの料金は以下の通りです。
平日当日窓口 | 平日オンライン | 土・日・祝日当日窓口 | 土・日・祝日オンライン | |
一般 | 2,000円 | 1,800円 | 2,200円 | 2,000円 |
学生 (高校・大学生) | 1,400円 | 1,300円 | 1,500円 | 1,400円 |
子供 (中学生以下) | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 |
シニア (65歳以上) | 1,700円 | 1,500円 | 1,900円 | 1,700円 |
チケットの料金は平日と土日祝日で異なります。またオンラインと当日窓口でも料金は異なります。
チケットの購入は専用オンラインサイトで日時指定をして購入するか、当日窓口での購入となります。
混雑していて入場できないということはなさそうですが、オンラインサイトで日時指定券を購入するのが入場もスムーズで、当日券よりやすいのでおすすめです。
音声ガイド
本展覧会では有料の音声ガイドも用意されています。
料金は500円。オンラインのチケットサイトでは音声ガイド付きの券も販売されていますが特に安くなっている訳ではありません。
ご自身のスマートフォンで会場受付にてQRコードを読み込むタイプになっていますので、利用されたい方はイヤホンなどを持っていった方が良いです。
ただ、各章ごとや作品ごとの解説は充実しているので音声ガイドは借りなくてもよいかもしれません。
所要時間に混雑状況

私は展覧会開幕直後の土曜日の午前中に行きました。
そこそこ人は入っており、最初の方の映像作品の展示室ではかなり人が埋まっている印象でした。
ただ、そこ以降はそこまで混雑しているように感じられず、鑑賞もストレスなくスムーズにできます。
会場に入場してから、退場するまでの所要時間は1時間半くらいでした。
ただし、映像作品をすべては見ておりませんので、映像作品をすべて見る場合は2〜3時間はかかると思います。
ちなみに一部の作品を除いて写真、動画撮影は可能です。

会場の様子

コンピューターやロボット、AI(人工知能)を使った不思議で面白い作品がいっぱい展示されています。ここでは、世界中から集まった12組のアーティストと作品をご紹介します。
まず、会場入り口には「マシン・ラブ」展の作品を鑑賞する際に知っておくと、もっと楽しむめる専門用語を紹介しています。

ビデオゲームとデジタル空間、AI、そして社会と文化という3つのグループに大きく分けられておりました。

QRコードがあり、読みとると、スマートフォン上でも確認できるので作品鑑賞をしながら用語を確認することができます。
ちなみにこの用語集もテキスト生成AI(ChatGPT)を使って作っていたそうで、その際に利用したプロンプトも紹介されていました。
ビープル

ビープルは、宇宙服を着た人がデジタルの世界「メタバース」の中を歩く様子を描いた作品《ヒューマン・ワン》を作りました。
ビープルは、インターネットでしかコピーできない特別なアート「NFTアート」で有名です。
この作品は、コンピューターの世界と人間がどんな未来を作るのか、私たちに考えさせてくれます。
佐藤瞭太郎

佐藤瞭太郎は、昔はお店やゴミ捨て場で見つけた古いものを使って映像を作っていましたが、コロナのときからはゲームで使うキャラクターや小道具のデータを使い始めました。


新しい映像作品《アウトレット》では、ショッピングモールや郊外の世界で、たくさんのキャラクターたちが不思議な冒険を繰り広げ、現実とはちょっと違う世界を見せてくれます。

ディムート

ディムートは美術や化学にかかわる物語の作り方を使って、見る人に新しい考え方を見つけてもらうような展示を作っています。
本展で紹介されている作品は「想像する力」にまつわる不思議な気持ちや、AIが人間みたいに心を持ったらどうなるのかといったことを考えさせるものです。
作品の中ではみなさんがAIキャラクターと議論に参加できたりします。

作品の上映時間が決まっており、すべて見るには1時間以上かかります。
インディー・ゲームセンター

個人や少人数によって作られたビデオゲーム「インディー・ゲーム」をプレイすることができるインディー・ゲームセンター。
ここでは4つのインディー・ゲームが紹介されております。



キム・アヨン

ソウルに住むキム・アヨンは、実際のソウルの街の映像と3Dデータを合わせて、まるでゲームの中にいるような街を作り出します。

作品《デリバリー・ダンサーズ・スフィア》では、コロナで人気になった宅配の女性ライダーが、現実の風景と不思議な迷路のような空間を走り抜け、いろんな気持ちや出会いを体験します。


ルー・ヤン

ルー・ヤン、仏教の教えに着想を得た作品を作っています。大きなLEDスクリーンで上映される《DOKU》では、自分のアバター(デジタルの分身)が、仏教の世界のいろんな次元を旅します。

展示空間も宇宙船のような不思議な雰囲気で、生と死について考えさせられる作品です。
ジャコルビー・サッターホワイト

ニューヨークに住むジャコルビー・サッターホワイトは、コンピューター技術を使って、暴力や差別がない平和な世界を作ることに挑戦しています。

彼の作品《メッター・プレイヤー》では、映像、音楽、ホログラムなどが使われ、みんなに優しさや勇気を届ける空間が広がります。
シュウ・ジャウェイ

台湾出身のシュウ・ジャウェイは、コンピューターの大事な部品である「チップ」が作られる材料、シリコンに注目しています。
作品《シリコン・セレナーデ》では、砂浜で採れる小さな石から作られるチップの過程を、映像とAIが作った音で表現し、デジタルと自然のつながりを教えてくれます。
藤倉麻子

藤倉麻子は、普段の街や高速道路、住宅地などの風景に興味があります。
作品《インパクト・トラッカー》では、海辺に置かれたゴミ袋や渦巻く海の流れを通して、地球の表面がどんどん変わっていく様子を描きます。

また、《労働のリズム》では、地面から採れたものが工場で作られ、街を作るまでの流れを考えさせる作品です。
ヤコブ・クスク・ステンセン

コペンハーゲン出身のヤコブ・クスク・ステンセンは、気候変動や心の問題、そして人のスピリチュアルな世界に興味を持っています。

彼の作品《エフェメラル・レイク(一時湖)》は、砂漠に時々現れては消える湖をテーマに、映像や音、光で地球の不思議な動きを感じさせてくれます。

アニカ・イ

ソウルで生まれ、ニューヨークで活躍するアニカ・イは、自然の素材や生き物を使った作品を作ります。

彼女は、長い研究で集めたデータを使い、生成AIと一緒に絵画の新しい表現を試みています。

作品『放散虫』では、海に住む小さな生き物のような形を通して、機械と生命の似ているところを考えさせます。

残念ながら私が行った時は調整中で動いているところが見れなかったです。
アドリアン・ビシャル・ロハス

アルゼンチン出身のアドリアン・ビシャル・ロハスは、コロナ禍でオンラインの仮想世界に注目し、未来や過去の世界を作り出す「タイムエンジン」というソフトウェアを開発しました。

彼の作品は、まるで地球の地層や宇宙から落ちてきた謎の物体のようで、想像を超える時間と空間を感じさせます。

ケイト・クロフォード

ニューヨークに拠点を置くケイト・クロフォードは、AIがどのように作られ、私たちの生活にどんな影響を与えているかを研究しています。

彼女の作品《帝国の計算》は、16世紀から今まで、技術と権力がどのようにつながっているかを、巨大な地図のような形で描いています。

最新のデバイスだけでなく、歴史や政治の視点からもテクノロジーを考える大切さを教えてくれます。
ミュージアムショップでは展覧会グッズも

最後の展示室を抜けると、森美術館のミュージアムショップがあります。
展覧会の図録は予約受付中。

その他、キーリングにキャップ、トートバッグにアームバンド、パーカーに展示作品に関するポストカードなどが販売されていました。


展覧会の感想
この展覧会は、コンピューターやAIなど新しい技術と、私たち人間の心や歴史がどうつながっているかを、いろいろな角度から考えさせてくれる場所です。
専門的なワードが多く、ちょっと難しいかと思う方もいるかもしれませんが、そんなことはなく見て楽しめる作品が多かったです。
みんなもぜひ、展示を見ながら未来の世界について想像してみてください。
ということで「マシン・ラブ:ビデオゲーム、AIと現代アート」の超個人的なオススメ度は…。
★★★☆☆
あくまで私個人の感想ですが、参考にしていただければ幸いです。
これからも少しずつアートやファッション関係の記事を書いています。
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