多くのヒット作や、個性的なキャラクターでも知られる人気のマンガ家・楳図かずおさんの大規模個展「楳図かずお大美術展」が東京シティビュー(六本木ヒルズ森タワー52階)で開催中です。
楳図かずおさんの芸術的側面に注目したこれまでにない展覧会です。
「漂流教室」「わたしは真悟」「14歳」といった3の代表作とともに、27年ぶりとなる新作「ZOKU-SHINGO 小さなロボット シンゴ美術館」を初公開。
4年の期間を費やし、マンガではなく原画101点の連作絵画として展示されています。
また、気鋭のアーティストらが展覧会に参加しているのも特徴です。
エキソニモ、冨安由真さん、鴻池朋子さんの3組が、楳図さんの世界をインスタレーションで表現しています。
本記事は「楳図かずお大美術展」のチケット、混雑状況、所要時間などを私個人の感想と共にまとめたものになります。
本展覧会に行こうか検討されている方の参考になれば幸いです。
展覧会の概要
会期 | 2022年1月28日(金)〜3月25日(金) |
開館時間 | 10:00〜22:00(入場は21:30まで) |
会場 | 東京シティービュー |
住所 | 東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー52階 |
チケットの価格と入手方法
チケットは事前予約制となり、当日券は入館時間枠に余裕がある場合のみ販売されるようですので事前予約していくのが無難だと思います。
オンラインでの予約は10:00から1時間ごとの枠から選べるようになっています。
- 大人 2,200円
- 高校・大学生 1,500円
- 4〜中学生 900円
- シニア(65歳以上) 1,800円
チケットは東京シティービュー、またはローチケから購入できます。
ちなみに音声ガイドはありません。
所要時間や混雑状況。一部エリアを除き撮影は可能
チケットを提示し、エレベーターで52階に上がります。
エレベーターを降りてすぐの場所に展覧会場入口があります。
ロッカーは52階に無料のもの(100円が戻ってくるタイプ)がありますので必要に応じて使いましょう。
写真撮影は「ZOKU-SHINGO 小さなロボット シンゴ美術館」のエリア以外は可能となっています。
私は祝日の16:00に行きました。
そこそこ人は入っているものの、鑑賞するのにストレスになるようなほど混んではいませんでした。
入場してから会場を出るまでにかかった時間は1時間半程度。
割とじっくり見ていたので、1時間もあれば見終えられる人の方が多いのではないかと思います。
展示されている作品について
会場では楳図さんの代表作品について、気鋭のアーティストの作品、略年譜に新作「ZOKU-SHINGO 小さなロボット シンゴ美術館」などをブロックに分けて紹介されていました。
それでは簡単にどんな内容なのかを展示順にご紹介します。
「漂流教室」
私の世代だと、窪塚洋介主演のドラマがきっかけで知ることの多い作品「漂流教室」。
改めてどんな物語だったのかをここで見返してみると、なかなか衝撃的な内容だったなぁと。
「わたしは真悟」
ここでは「わたしは真悟」に出てくる扉絵のスライドを展示していました。
写真だと伝わりませんが、巨大なイラストも。
同じ空間には「エキソニモ」の作品<回想回路>が展示されています。
漫画のコマ割りのように配置されたモニターから、「わたしは真悟」の場面がゆらゆらと映し出されます。
床には大量のケーブルが敷き詰められ、その上にはランドセルが置かれています。
楳図かずおさんの略年譜
続いてのエリアには楳図かずおさんの略年譜とともに、代表作やデビュー作などの貴重な資料が展示されています。
初期の絵は手塚治虫さんっぽいと思ったら、憧れていたというような説明もあったので納得。
そして、その手塚治虫さんに後に「天才が現れた」と評されたのも考え深いものです。
「ZOKU-SHINGO 小さなロボット シンゴ美術館」
1990年代の作品「14歳」以来の27年ぶりとなる新作。
4年の期間を費やし、マンガではなく原画101点の連作絵画として展示されています。
本作は1980年代に描かれた「わたしは真悟」の続編であると同時に、時空を超えたそのパラレル・ワールドでもあるそうです。
絵もストーリーもとてもすごく、101点もあるのですが時間を忘れて魅入ってしまいます。
101点の絵画を見終えると、大きくプリントされた3枚の絵画作品が展示されています。こちらは撮影可能。
さらにこの先には冨安由真さんの<Shadowings>が展示されています。
着色されるまでの素描101点が展示された空間の中央に作品が設置され、空間全体の演出を行なっています。
撮影禁止エリアで、言葉では説明しにくいのですが、これまたすごい空間でずーっと見ていられます。
個人的には新作101点の連作絵画と冨安由真さんの作品を見るだけでも価値があったといっても良いと思うくらい良かったです。
「14歳」
楳図さんが最後に描いた漫画「14歳」。
ここでは鴻池朋子さんの作品が展示されています。
大小2点のドローイングと映像、そして階段と滑り台のオブジェで構成されたインスタレーション作品<かずお14歳>。
地球上で子どもたちの帰りを待つゴキンチ(ゴキブリのキャラクター)の頭部を模して制作され、頭部が振り子のモーターによって空中を行き来する作品<振り子 ゴキンチの先生>。
「14歳」の作中の気になるセリフを左手で書き起こした作品<14歳 左手のエチュード>。
17時過ぎて陽も落ちてきて、背景もきれいです。
未来へ
「漂流教室」と「14歳」のラストシーンは時空を超えて一本の虹のような美しい弧が描かれています。そしてそれぞれ逆の軌跡になっているそうです。
どんなことも起きうる奇跡を信じ、いかなる苦難にも屈しない未来を切り開く新しい人類の命をためを願っているんでしょうか。
オリジナルグッズや期間限定のUMEZZ CAFEも注目
会場の最後にはグッズショップがあります。
図録をはじめ、ポストカード、アパレルなど気になるアイテムはかなりありました。
完売商品もチラホラ出てるようなので、詳しくは公式Twitterを確認するとよいでしょう。
また、展覧会会場と同フロアにあるカフェ「THE SUN & THE MOON」がコラボレーションカフェ「UMEZZ CAFE」として会期中限定でオープン中。
楳図かずおさんの作品や楳図かずおさんをイメージしたコラボメニューを提供しています。
展覧会を見た後はこのカフェで小休憩しながら余韻に浸るのも良さそうですね。
「楳図かずお大芸術祭」に行ってきた感想
正直期待以上でした。
新作の連絡絵画はもっと見ていたかったですし、ポスターがあったら欲しかったくらいです。
気鋭のアーティストの作品も楳図さんの作品を拡張しながらも、それぞれの個性が出ていてとても面白かったです。
楳図さんの作品を知っている人も知らない人も楽しめる展覧会だったのではないかと思います。
ということで、「楳図かずお大芸術祭」の超個人的なオススメ度は…。
★★★★☆
あくまで私個人の感想ですが、参考にしていただければ幸いです。
これからも少しずつアートやファッション関係の記事を書いています。
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